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【妄想長編小説】排尿税 ~第3話 病室の尿瓶~

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※このページは長編小説『排尿税』の第3話です。
第1話から読みたい方はこちら→ホームルームの粗相
前回の話はこちら→第2話 ムードメーカー

名前 人物 身長 体重
戸塚 秋菜
(とつか あきな)
本作の主人公。天真爛漫で元気いっぱいだが、多少空気の読めない所あり。 159cm 51kg
旭 夏海
(あさひ なつみ)
秋菜と幼馴染。秋菜ほどではないが、普段から明るく好印象。頭もいい。 162cm 49kg
鶴見 真冬
(つるみ まふゆ)
小柄な女の子。人を笑わせるのが好きな目立ちたがりで、クラスのムードメーカー。 147cm 44kg
金沢 心春
(かなざわ こはる)
普段は口数の少ない静かな女の子。いつも教室で小説を読んでいる。黒縁のメガネが特徴。 167cm 59kg

真冬「おはよーーーー!!」

秋菜「うん・・・おはよう。」

新学期が始まって3日目の朝。クラスメイトが続々と教室に入っていく中で、秋菜は心配そうにしながら真冬に挨拶を返していた。

真冬「・・・どうしたんだ?」

秋菜「心春ちゃんがまだ来てないの!!」

今まで早めに登校していた心春が、この日はホームルームの直前になっても姿を現さなかった。夏海もその様子に気が付いていて、彼女も席に座りながら、心配そうに心春の席を見つめている様子だった。

ガラガラガラッ!!

先生「ホームルームを始めるぞー。全員席に着けー。」

そうこうしている間に、担任の先生が教室へとやってきた。3日目となるホームルームは心春がいないままスタートする。

先生「出席を取る前に1つだけ報告だ。」

教壇の上に立った先生は、出席簿を開きながらこう話し始めた。

先生「昨日から金沢が入院する事になった。1週間程度だそうだ。」

ザワザワザワ・・・。

あまりの突然なお知らせにクラスメイトはもちろん、秋菜や夏海も動揺を隠せない。

秋菜「どうしてですか?どこが悪いんですか?なんで?」

秋菜は思わず大声を上げて立ち上がってしまった。教室にいるほとんどのクラスメイトがそんな秋菜の様子を見るように振り返っていた。

先生「親御さんからそう説明を受けただけで、先生も詳しく分からない。プライベートな事だからとしか言われてないんだ。」

秋菜「・・・そんなぁ。」

先生「もちろん健康上の理由だろうが、彼女は病室でちゃんと元気にやっているそうだ。みんなも安心してくれ。」

1週間程度と言っても入院は入院だ。それなのにも関わらず、担任の先生は心春の話を簡単に終わらせ、いつものように出席を始めるのだった。

先生「それでは出席を始めるぞ。1番の旭!!」

夏海「は・・・はいっ!!」

先生「次、伊藤!!」

先生の心春に対する冷たい対応に、クラスメイトのほとんどが違和感を覚えた。少し重たい雰囲気の中で行う点呼は、いつになく静かに進んでいくのだった・・・。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

夏海「えっ、真冬ちゃんってバレー部なの?」

真冬「そうだよっ!!」

秋菜「そうなんだ!! ちょっと意外かもーーー!!笑」

真冬「小さいからってバカにしてるだろっ!! ウチはリベロだよっ!!」

夏海「なるほど。確かリベロって小さくても出来るんだよね?」

秋菜「そうなんだーーー!! すごーーーい!!」

この日の学校が終わり、3人は靴箱の前で話をしていた。帰宅部の秋菜と夏海が部室へ向かおうとする真冬へ、サヨナラをしようとしていた時だった。

真冬「この後、2人はどうするんだ?そのまま帰るのか?」

夏海「うーーーーん。実はね、秋菜が金沢さんのいる病院に行きたいってうるさくてさー。」

秋菜「だって入院だよ?心配だもん!! これから職員室に行って、心春ちゃんのいる病院がどこなのか教えてもらうんだ!!」

夏海「そうは言ってるけど、先生に言ったって教えてもらえないでしょって私が説得してるんだけどさ・・・アハハ。」

そんな困った表情を浮かべる夏海に、真冬は予想もしない事を口に出した。

真冬「アイツの連絡先なら知ってるけど・・・要るか?」

夏海「えっちょっと待って!! 金沢さんと友達なの?」

秋菜「やったぁーーー!! 心春ちゃんがいいって言うなら欲しいよ!!」

真冬「本人に聞いてみるよ。ついでに、どこの病院なのかも今聞いてみるぜっ!!」

真冬はスカートのポケットからスマホを取り出し、すぐにメッセージを打ち込み、そして送信した。

夏海「・・・驚いた。まさか真冬ちゃんと金沢さんに接点があるなんて。」

真冬「中学は違うけど、部活の大会とかで昔から知り合いだよ!! アイツも中学までバレー部だったもん!! 高1の頃はクラスも一緒だったし!!」

秋菜「だから心春ちゃんって背が高いんだ!! カッコいいーっ!!」

夏海「・・・にしても、連絡先が分かるほど仲が良いなんてね?笑」

真冬「うっ、うるせーーーーっ/// アイツとは因縁のライバルなんだよっ!! 決して仲がいいわけじゃねんだ!!」

そんな会話をしていると、すぐに真冬のスマホが鳴った。どうやら心春から返事が届いた様子だった。

心春(ちょっと面倒だから、悪いけど戸塚さんに代わってもらってもいいかしら?)

そんなメッセージが届いていたので、真冬は秋菜にスマホを渡した。

秋菜(代わりました!! 戸塚だよーーーー!!)

秋菜(心春ちゃんが入院と聞いて驚いたよっ!! 大丈夫なの?)

秋菜(あと、病院の場所を教えて欲しいな!!)

秋菜(今からお見舞いに行くよっ!!)

秋菜(誕生日プレゼントも持ってくるよ?笑)

心春の返事を待つ事なく、秋菜は一方的にメッセージを連発して送った。心春は既読を一瞬で付けるが、返事がなかなか来ない。

心春(・・・呆れた。一方的にも程があるわ。)

1分ほどが経ち、ようやく心春から返事が届いたが、彼女は乗り気ではない様子だ。

心春(・・・学校からは遠いけど、いいのかしら?)

しかし意外にも、その後に病院のリンクが送られてきた。場所は横浜ではなく、南隣の横須賀市内だった。

秋菜「よ、横須賀?心春ちゃんって横須賀出身なのーーー?」

秋菜は文字を打つ前に声に出してしまったが、その言葉をそっくりそのままスマホに打ち込んで、メッセージを送信した。

心春(横須賀よ。悪い?あと、気安く下の名前で呼ばないでって言ってるでしょ!!)

心春からすぐに返事が来たが、秋菜はそれを見る事なく笑顔で真冬にスマホを返してしまった。

秋菜「ありがとう!! 横須賀の病院に行ってくるよ!!」

真冬「・・・もう大丈夫なのか?」

秋菜「うん!! 本当にありがとう!! 部活頑張ってね!!」

秋菜は夏海の手を引っ張りながら、急いで外靴に履き替えて校庭へと飛び出した。

夏海「ちょっと早いって!! 待ってよ!!」

手を引っ張られた夏海は体勢を崩されながらも、必死に秋菜の後を着いていった。秋菜は止まる事なく学校から徒歩10分の最寄り駅へと、吸い込まれるように走っていくのだった・・・。

秋菜「ごめん。その・・・誕生日プレゼントを教室に忘れてしまって。」

心春「・・・呆れた。病室に入っての第一声がそれなの?」

電車に乗ってから1時間ほどが経ち、時刻は17時を過ぎた。窓から西陽が射している病室で、心春はやれやれと言った表情をしているが、一方でどこか嬉しそうにしているようにも見えた。

夏海「とりあえず今は落ち着いている感じ?」

秋菜と夏海の2人は、心春のいる病室で心配そうにしていた。よく見ると彼女の腕には、未だ点滴が打たれている。

心春「今はもう大丈夫。昨日の夜がピークだったわ。一時は熱が40度を超えて、本当にしんどかった。」

秋菜「どこが悪いの・・・?」

秋菜の問いかけにちょっと間を置いた心春だったが、顔を赤くしながらこう答えたのだった。

心春「・・・腎盂腎炎になっちゃったの。膀胱炎より酷い炎症って言えばいいかしら?尿道にカウンターを埋め込んでからずっと調子が良くなかったし・・・///」

秋菜「・・・そうなんだ。大変だったんだね。」

しばらく3人の間に沈黙が流れたが、先に沈黙を破ったのは夏海の方だった。

夏海「・・・国のせいじゃん!!」

夏海は心配そうにしながらも、表情から怒りが揉み上げてきているのが分かった。

心春「元を辿ればそうね。でも節税の為に日常的に尿意を我慢していたのは私の方だし、排尿カウンターが体質に合ってなかったみたいなの。」

夏海「だからそれも含めて国のせいって言ってるじゃん!!」

心春「・・・しょうがないじゃない。それを今言った所で、税制が変わるって言うの?あんな大規模なデモをしても何の反応もない国が?」

夏海「だからって言いなりになるのはおかしいじゃん!! どうにかしないといけないじゃん!!」

心春「・・・どうやって?」

秋菜「ちょっと2人とも落ち着いてよっ!! ここ病院だよっ!!」

慌てて秋菜は2人の仲裁に入り、2人は少しだけ落ち着きを取り戻した。

夏海「尿道に異物を入れるんだから、特に女性は炎症のリスクが高過ぎるよ。排尿回数を増やせば税金がかかるし、だからと言って我慢すれば入院なんて、そんなの本当に馬鹿げてるよっ!!」

秋菜は顔を真っ赤にしている夏海の頭を、ポンポンと叩いてなだめていた。

秋菜「そうだよね。でも仕方ないよね。」

落ち着きを取り戻したように見えた夏海だったが、秋菜の一言にまた怒りが込み上げていた。

夏海「仕方なくないよ!! なんで2人はこんな税制を受け入れてるの?」

秋菜「そ、そりゃあ受け入れてると言うか、受け入れるしかないと言うか・・・?」

夏海「そんなの一緒じゃん!! 金沢さんもなんか言ってよ!!」

相変わらず病室で声を荒げる夏海は、心春に話を振った。

心春「・・・そうね。話を変えてしまって悪いけど、ちょっと・・・アレを取ってもらってもいいかしら?」

そう言って心春が指さしたのは、ベッドの横に置かれている尿瓶だった。

秋菜「えっ今使うの?大丈夫なの?」

心春「大丈夫よ。なるべく尿意を催したらすぐに排尿するよう言われているの。」

秋菜は尿瓶を心春に渡すと、何も言わずに病室のベッドカーテンを閉めようと動き出した。

ザァーーーーーッッ!!

心春「・・・案外、気が効くのね。」

夏海も秋菜を手伝うように動いた。そしてベッドカーテンで完全に見えなくなった心春に、秋菜はこんな問いかけをする。

秋菜「もし嫌だったら・・・病室から一旦出ようか?」

音にも配慮したつもりだったが、なんとその頃には心春が既に排尿を始めていたのだった。

尿瓶にゆっくりと尿が溜まっていく音が病室に響き渡った。カーテンの向こうにいる心春からの返事は一切ないままだ。

勢いは弱めだったが、30秒ほど音が続いた後、彼女の排尿はゆっくりと止まった。

心春「悪いけど・・・棚の上にティッシュが置かれてないかしら?」

カーテンを閉め切ってから、心春が最初に放ったセリフはこれだった。

秋菜「あるよっ!! 渡せばいいんだね?」

心春「・・・悪いわね。」

カーテンと壁の隙間から心春の手が伸びてきた。秋菜はティッシュをケースごと心春に渡すと、しばらくしてティッシュの擦れる音が聞こえてきた。

その後に尿瓶の蓋を閉める音が聞こえてきて、服の擦れる音が聞こえ、心春はカーテンをザァーーーーっと勢いよく開けた。

心春「後で捨てに行かなきゃダメね?」

心春は右手に尿瓶、左手に使用済みのティッシュを持ったままそう言った。尿瓶には濃いめの尿が入っていたが、3割ほどしか満たされていない。

先日まで恐ろしい勢いと尿量を誇っていた心春の排尿がここまで衰えたのかと、秋菜と夏海の2人は少しだけ悲しくなるのだった・・・。

〜つづく〜

前回の話はこちら→第2話 ムードメーカー
はじめから読みたい方はこちら→第1話 ホームルームの粗相

振袖と小便
今年初の小説作品。この作品みたいに最近はむしろ、現実的な話が減ってきています。

河川敷で新入生歓迎バーベキュー飲み会
僕が初めて書いた妄想小説作品。恐ろしいくらいに閲覧数の伸びが衰えず、何年も前の作品なのにアンケートでも作品名を名指しでコメントを頂いたりと、頭が上がりません。

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