※このページは長編小説『排尿税』の第2話です。
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登場人物紹介
| 名前 | 人物 | 誕生日 |
| 戸塚 秋菜 (とつか あきな) |
本作の主人公。天真爛漫で元気いっぱいだが、多少空気の読めない所あり。 | 10月2日 |
| 旭 夏海 (あさひ なつみ) |
秋菜と幼馴染。秋菜ほどではないが、普段から明るく好印象。頭もいい。 | 7月23日 |
| 鶴見 真冬 (つるみ まふゆ) |
小柄な女の子。人を笑わせるのが好きな目立ちたがりで、クラスのムードメーカー。 | 12月25日 |
| 金沢 心春 (かなざわ こはる) |
口数の少ない静かな女の子。いつも教室で小説を読んでいる。黒縁のメガネが特徴。 | 4月9日 |
第1章 ムードメーカー
秋菜「ねぇねぇ、この前お漏らしをしちゃった鶴見さんって子、今日はお休みなのかな?」
週が明けた月曜日の朝。新学期から数えて2日目となるDクラスの生徒達は、まだまだ打ち解け合っていない雰囲気だった。
夏海「うーーーん。初日であんなお漏らしをしちゃった訳だし、正直行きづらいよね・・・。」
秋菜「でも来なかったら来なかったで、日が経つにつれてどんどん行きづらくなっちゃうよー。心配だよ!!」
始業式のホームルームでお漏らしをしてしまった秋菜の隣の席の子は、まだ学校に来ている様子がない。秋菜と夏海が心配そうにしていると、そのタイミングで担任の先生が勢いよく教室の扉を開けてやってきた。
ガラガラガラッ!!
先生「ホームルームを始めるぞー。全員席に着けー。」
やる気のなさそうな声を出し、先生はゆっくりと歩いて教壇に立つ。生徒達は急いでそれぞれの席へと移動し始めた。席から離れていた夏海も、他の生徒達と同様に自分の席へと着席する。
先生「まずは出席から始めるぞー。1番の旭!!」
夏海「は・・・はいっ!!」
進級して2度目の出席が始まった。点呼を取る先生の表情は、相変わらず少しだけ気だるそうにしている。
先生「次、伊藤!!」
ガラガラガラッ!!
点呼を取っていると、再び教室の扉の開く音が響いた。そして小柄な女の子が、息を切らしながら教室へと物凄い勢いで入ってくる。
真冬「セーーーーーーーーーーーフッ!!」
その瞬間、教室は一気に静まり返った。彼女の名は鶴見 真冬。始業式の日のホームルームでお漏らしをしてしまった小柄な女の子だ。
シーーーーーーーーーーーーン。
真冬「あっ・・・あれ?笑」
彼女は両手を翼のように広げ、膝をついたままセーフティポーズを取って固まっていた。
先生「・・・セーフじゃないぞ。ギリギリ遅刻だ鶴見。」
真冬「えっ・・・マジですか?笑」
てへへと言わんばかりに舌を出す真冬を見て、クラスメイト達はクスクスと笑いはじめた。
生徒A「初日がアレだったから、もう学校に来ないかと思ったけど大丈夫そうじゃん!!笑」
生徒B「あの子顔も可愛いし、こんなに明るい子なんだね!! 私、結構好きかも!!」
秋菜や夏海も例外ではなかった。特に心配していた秋菜は笑顔になり、隣の席へと向かう真冬を歓迎するかのように、手を振りながら迎え入れた。
秋菜「おはよー!!笑」
秋菜は笑顔で真冬に話しかけた。それは2人の初めての会話だった。真冬は一度だけ秋菜の顔を見て、恥ずかしそうにしながらすぐに目を逸らしてこう返事をした。
真冬「おっ、おはよう・・・///」
顔を真っ赤にしながらも、真冬は目を逸らしたまま席に着いた。
秋菜(・・・照れてるのかな?)
教室が少しだけ良い雰囲気になったところで、先生による点呼は再開されるのだった・・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それから日程が進んだ4限目の英語の授業中の事だった。皆が黙々と先生の話を聞いている教室で、真冬は急に立ち上がってこう言い放った。
真冬「先生ー!! おしっこに行きたいです!!笑」
静かな教室の雰囲気を、真冬は一気にぶち壊した。クラスの一部の生徒はクスクスと笑い始める。
先生「いいけど、トイレはなるべく休み時間に行くようにしてください。それと、女の子なんだからお手洗いと言ってください!!」
英語の担当教諭である女性の先生は、教室の扉を開けてトイレの方向を指さした。
真冬「はっはい!! お手洗いに行きたいです!! もちろん我慢したいのは山々ですが、先日この場で粗相をしてしまい、実にトラウマでございますっ!!笑」
スカート越しに股間を押さえながら、真冬はモジモジと激しい動きをしながらそう言った。
クスクスクス・・・。
教室内の笑い声も大きくなってきていた。先生はやれやれといった様子で、フーーーッ!! と大きくため息を吐く。
先生「もう!! 女の子なのにはしたないっ!! 急いで行ってきなさい!!」
真冬「ごめんなさーーーーい!!」
クラス「ハハハハハッッ!!」
股間を押さえたまま、真冬は小走りで教室を出て行った。再び教室内は笑い声に包まれる。
先生「皆さんも気を付けてください!! 特に3年生の皆さんは、誕生日を迎えた場合に納税デビューとなります。事前に尿意を我慢出来るように、日頃から膀胱を鍛えておきましょう!!」
クラス「はーーーーーい!!」
先生「鶴見さんは尿意を我慢して、彼女なりの節税対策を始めているのだと思います。皆さんも彼女を笑うのではなく、見習うようにしましょうね。」
クラス「はーーーーーい!!」
そうして再開された英語の授業。教室内は静かになり始めたが、その数分後に彼女はまたもや雰囲気をぶち壊すのだった。
真冬「先生!! 信じられない量が出ましたーーー!! 滝のように出ました!! 本当に気持ち良かったです!!」
スッキリした表情でルンルンと弾みながら教室に戻る真冬を見て、クラスメイト達はまた笑いに包まれた。
クラス「ハハハハハッッ!!」
先生「まったく・・・排尿税が導入されたからといって、恥じらいを捨てろなんて誰も言ってませんよ?」
真冬「でも羞恥心を捨てないと納税なんてやってらんないですよ?開き直りも大事だと思いますっ先生!!」
ふざけているように見えて、真冬の一言は核心を突くようなセリフだった。先生は返答に困り、黙り込んでしまった。クラスメイト達からも笑顔が消える。
真冬「ふぅーーースッキリした!! お腹も軽くなったから、これで授業に集中出来ます!!笑」
そう言って席に着いた真冬は、ゆっくりと教科書のページをめくっていた。
秋菜「鶴見さん、大丈夫?」
隣の席で心配そうに見つめる秋菜に気が付き、真冬はキョトンとした顔で返事をした。
真冬「何が・・・?あと、真冬でいいよ?笑」
返事をした後に、真冬は一気に顔を真っ赤にした。恥ずかしいのか恥ずかしくないのか、秋菜は彼女の気持ちが理解出来ないまま、昼休み時間に入るのだった・・・。
第2章 早退
夏海「それなら、このタコさんウインナーと交換しない?」
真冬「嫌だ!! ウチの玉子焼きは誰にも渡さねーーーっ!!」
秋菜「それなら、私の唐揚げと交換する・・・?」
真冬「うーーーん・・・交渉成立。」
秋菜「やったーーーー!!笑」
夏海「唐揚げ強し!!笑」
それから30分後。3人は机を囲んで昼食を食べていた。先週まで話した事すらなかった真冬と友達になれて、秋菜は嬉しい気持ちでいっぱいだ。
秋菜「あれ?心春ちゃん?どうしたの?」
そんな中、昼食時間にも関わらず、ご飯も食べずに身支度をしている心春の様子が目に入った。今日も廊下側の最前列で一言も喋らずに黙々と授業を受けていた彼女は、どうやら帰ろうとしているみたいだ。
秋菜「どうしたの?帰るの?」
少し離れた席から、秋菜は不思議そうな表情で心春に尋ねた。
心春「えぇ。帰るわ。事前に先生にも今日は早退するって言ってあるし。」
秋菜「どうして?」
秋菜は思わず立ち上がり、心春の元へと駆け寄った。すると心春は少し恥ずかしそうにしながら、こんな事を口にするのだった。
心春「私、今日が誕生日なの・・・。」
数秒くらいの間を置いた後、秋菜は喋り出す前に、パチパチと拍手を送った。
パチパチパチ!!
心春「何よ///」
秋菜「何じゃないよ!! 誕生日ならもっと早く言ってよー!! 明日プレゼント渡すからさ?」
半ば無理矢理、秋菜は笑顔で心春に握手をして、握りしめた手を大袈裟に大きく揺らしていた。
心春「違うの!! 別に私は祝って欲しいからそんな事を言った訳じゃなくて・・・///」
いつになく恥ずかしそうにしている心春に違和感があった。高校3年生で迎える誕生日。秋菜はすぐにハッとして、握手をしていた手を離し、閃いた様子で心春に指をさした。
秋菜「そうだ!! という事は今日で納税デビューなんだーーー!!」
秋菜の大きな声に、教室内のほとんどの生徒が心春に注目し始める。
心春「・・・大きな声で言わないでちょうだい///」
顔を真っ赤にしながら、心春は秋菜を睨んだ。
秋菜「ご、ごめんごめん!! 悪かったよーーー!!」
秋菜は再び心春の手を握りしめて、大きく左右に揺らしながら謝った。
心春「バカなのかしら?それに気安く下の名前で呼ばないでちょうだい!!」
心春はムスッとした態度で、帰宅のための支度を再開した。
秋菜「ご、ごめん本当にごめん!! でもさ、なんで誕生日に早退するの?家で親が盛大に祝ってくれるの?」
横で必死にそんな質問をする秋菜を見て、心春はハァーーと大きくため息を吐いた。
心春「私が最初に自分が誕生日だって説明から入ったのは悪かった。それは謝るわ。」
秋菜「いや、別にそれはいいんだけど・・・。」
心春「・・・市役所に行かないといけないの。納税関係が理由だから、早退でも公休扱いだから。」
秋菜「そうなの?どうして?手術は終わったんだよね?」
心春「もちろん終わったわ。カウンターとか見てみる?」
心春はそう言って、排尿カウンターが反映されているスマホのアプリを開いた。
秋菜「すごーーい!! これが噂の排尿カウンターってヤツ?」
画面には、心春が日毎に排尿した回数がカウントされる、排尿カウントアプリが表示されていた。今日の排尿は1回となっていて、排尿量まで550mlと表示されている。
心春「あなた、失礼だけど家族とか居ないわけ?親はもうとっくに納税しているでしょ?」
秋菜「そうだけど、母さんは恥ずかしいって言って見せてくれないんだもん!! 18歳になったら嫌でも分かるようになるからって一点張りで、私はこんなの見たことなかったよ!!」
心春「・・・そう。それは仕方ないわね。」
スマホをスカートのポケットにしまい、心春は帰り支度をしながら話を進めた。
心春「・・・今日は市役所に行って、尿道に埋め込んだ排尿カウンターがしっかり稼働しているかを確認して、納税手続きを進めないといけないの。」
秋菜「た、大変なんだね・・・。」
心春「そうね。18歳の誕生日ほど辛いものはないわ。」
秋菜「でもさ、それって放課後じゃダメなの?」
心春「なるべく早めがいいんだって。親の時間の都合もあって、早退する事にしたの。」
秋菜「ふーーーん。」
帰り支度が完了した心春は、カバンを持って教室の扉を開いた。
秋菜「心春ちゃん!! 区役所での事も、良かったら明日私に話してよ!! 他にも排尿カウンターとか、いろいろ聞きたい事がたくさんあるから!!」
心春は教室から出て行こうとする足を止めて、長い髪をなびかせながら後ろを振り返った。
心春「・・・分かったわ。ちなみに私は横浜の人間じゃないわ。区役所じゃなくて市役所よ。それと私を気安く下の名前で呼ばないでちょうだい!!」
コツコツとローファーの音を立てながら、心春は長い廊下をゆっくりと歩いていった。高めの身長に細身の体型。クールな振る舞いという点も含めて、秋菜にとって彼女は憧れの存在となった。
秋菜「明日は、どんな話が聞けるのかなーーー?」
そんな事を言いながら目をキラキラと輝かせ、秋菜は夏海と真冬のいる席へと戻った。そして箸を右手に持ち、交換した真冬の玉子焼きを美味しそうに頬張るのだった・・・。
〜つづく〜
次の話はこちら→第3話 病室の尿瓶
前回の話はこちら→第1話 ホームルームの粗相
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ホワイトデーも、あの子のおしっこ
2話完結作品の後編にあたるお話。「単にお前が金沢に行った時の写真を載せたいだけだろ」と言われたら、言い返す言葉もない笑
家系おしっこ~小便家~
実は家系ではなく、元々は二郎系をモチーフにして「カフェイン入れますか?」みたいな店員とのやりとりを考えていたのですが、見事にボツになりました笑

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