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【妄想長編小説】白いストラトキャスター ~第3話 従業員用のトイレ~

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このページは長編小説『白いストラトキャスター』の第3話です。

※今回の長編小説は登場人物紹介やあらすじ等はありません。読まれていない方は第1話から読むことをオススメします。

第1話から読みたい方はこちらからどうぞ→第1話 無口な美少女

前回のお話はこちら→第2話 気付かれていた気配

僕「どうしよう・・・。これは謝るべきか・・・。」

バイトで大遅刻をした僕はその日の夜、楓に謝罪のメッセージを送ろうかと迷っていた。謝りたい気持ちはもちろんあったが、「連絡先を消しといてください」と言われた数日後にメッセージを送るのは、これもまた怒られそうだ。

「下腹部さん、また嘘つきましたね。」

こんなメッセージが届くのは想像に難くない。しかしあの時の僕を睨んだ楓の顔を思い出すと、どうしても謝る選択肢しか僕にはなかった。

僕「いや、もういいんだ!! もう嫌われているなら放置するよりも、とりあえず謝ろう!!」

夜の11時過ぎ、僕は彼女のトーク画面を開いた。

僕「西口ちゃん。今日は遅刻をして申し訳ありませんでした。シンプルに寝坊をしてしまいました。忙しい週末の昼ピークを2人分もやらせてしまって本当にごめんなさい。」

送信が完了しても、既読はすぐには付かなかった。寝ているのかそれとも怒っているのか、僕は不安を抱えたまま就寝してしまっていた・・・。

楓「おはようございます。」

楓「昨日はイライラしてしまいました。」

楓「態度が悪くて、こちらこそごめんなさい。」

楓「下腹部さんのせいで、」

楓「1時間出勤時間が早くなりました。」

楓「でも逆に言えば、」

楓「下腹部さんのおかげで、」

楓「少しだけ本来より稼がせていただきました。」

楓「でも遅刻はダメだと思います。」

楓「今後気をつけて欲しいです。」

翌日の早朝6時頃、僕が寝ている間に楓からこんな返事が送られていた。昼近くの10時に起きた僕は返事が来たかととりあえずホッとしたが、大学生であるにも関わらず女子高生から注意を受けてしまっている事に多少の恥ずかしさを感じた笑

楓は連絡先を消していないという事に関しては触れてこなかった。今返事をするとすぐに話を終わらせられると考えた僕は、とりあえず既読は付けずにそのまま放置して、その日の夜に返事をしようと考えていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

僕「返事ありがとう!!本当にごめんね!!今後気をつけます。」

その日の夜。僕は楓とのLINEがどうにか続かないかと考えていた。ここから別の話題を切り出したら面倒臭がれるだろうか?それなら彼女に関する事よりも、僕の話をした方がいいだろうか?しかし興味のない僕の話をされても続きはしないだろう・・・。

僕「前にも聞いたけどさ、西口ちゃんってどうしてバイトしてるの?東高ってバイトNGじゃないの?」

迷った僕は結局、楓に無難な疑問をぶつけてみた。すぐに既読は付かなかったのでギターの練習をしながら彼女の返事を待っていると、10分くらい経ってから僕のスマホが光った。

楓「いえ。昨日の事はもう大丈夫です。」

楓「バイトは本当はダメですね。」

楓「ただ家庭の事情もあるのと、」

楓「私のワガママで一応OK、」

楓「って感じですね。」

楓「バイトの許可は、」

楓「担任の先生にだけ貰ってます。」

楓「学校的には本当はダメですけど。」

僕「キターーーーーッッ!!」

僕は彼女の返事に歓喜した。ギターをぶん投げるように床に置き、そして急いで返事を打ち込む。

僕「そうなんだ。あんな偏差値バカ高いとこ通いながらようやっとるわ。マジですげーよ!!」

楓「ありがとうございます。」

僕「あのさ、西口ちゃんに聞きたいこと本当にたくさんあるんだけど、色々質問してもいい?」

僕のこのメッセージに既読はすぐ付いたが、返事が来るまでに時間差があった。この時間が妙に怖い。

楓「答えられる範囲なら構わないです。」

僕「本当に色々あるんだけど、どうしようかなー。何から聞こうか・・・」

とりあえず、しばらくLINEは続きそうだったので安心した。

僕「あっそうだ!!西口ちゃんって関西の人でしょ?」

僕のメッセージに既読を付けたまま、また返事に時間がかかっていた。

楓「はい。」

楓「生まれも育ちも大阪です。」

楓「高1から編入して九州に来ました。」

楓「親の都合です。」

楓「どうして分かったんですか?乃々華から聞いたんですか?」

僕「だって一人称がたまに”ウチ”になるし、”ホンマ”とか言わないよ九州の人は笑」

楓「・・・なるほどです。」

楓「今、下腹部さんとのトーク履歴を遡ってみました。」

楓「確かにそうですね。」

楓「無意識に打ち込んでしまっていました。」

僕はそんな彼女が心底可愛いと思っていた。まだまだ聞きたいことは山ほどあったが、出来ることなら時間をかけて何日でもこうやってLINEを続けたい。

楓「もう眠いのでそろそろ終わろうと思いますが、」

楓「最後に私からも質問いいですか?」

まさか彼女から質問があるとは思いもしなかった。もちろん嬉しさの方が強かったが、何を聞かれるのかという怖さも少しあった。

楓「下腹部さんってもしかしてですけど、」

楓「ギターやってますか?」

彼女の意外な気付きに僕は驚いた。何故そんな事を知っているのだろう?全くもって心当たりがない。これは乃々華も知らないはずだった。

僕「いや待って笑」

僕「なんで分かったの?笑」

僕はウッキウキで返事を打ち込んだ。すると楓はすぐに返事をした。

楓「やっぱりそうでしたか。」

楓「昨日一緒に働いてた時に、」

楓「たまたま下腹部さんの指が目に入ったんです。」

楓「自信はなかったですが、」

楓「あの硬そうな指、ギターダコって言うんですよね?」

楓「ギターを弾いてる指なのかなと思いました。」

僕「そんなのが分かるってことは、もしかして西口ちゃんもギターやってんの?」

爆速で返事をする僕に、楓も合わせるようにすぐに返事をした。

楓「すいません。」

楓「私、眠い時はもう何も考えられなくて、」

楓「続きはまた、明日でもいいですか?」

彼女から明日もLINEをする約束を提案され、僕はもう嬉しさが止まらなかった。「眠い時はもう何も考えられなくて」は流石に可愛い過ぎる笑

僕「全然いいよっ!!俺明日21時までバイトだから、それ以降の時間で待ってるね!!笑」

楓「はい。おやすみなさい。」

僕「おやすみーーー!!」

ニヤニヤしながら僕はスマホの画面を閉じた。早く明日にならないかと小学生の遠足の前日のような気持ちになりながらも、床に置いていたギターを持ち上げて練習を再開するのだった・・・。

次の日の夜。僕が21時までのシフトをこなして退勤をした後だった。着替えを済ませて無意識にスマホを開くと、所属しているバンドのグループLINEに大量の通知が来ていた。

内容は僕が介入しないと進まない話だった為、帰るのを一旦後回しにしてバックヤードで1人スマホをいじり続けていた。すると気づかない間に21時半になり、高校生の退勤する時間になった。今日の高校生は乃々華の1人だけ。

乃々華「お疲れ様で〜〜す!!下腹部さんまだいたんですかー笑」

僕「おう、お疲れ。」

メッセージを必死に打ち込みながら僕は適当に返事をした。乃々華はそんな僕に近づき、そして小さな声でこう耳打ちをしたのだった。

乃々華「下腹部さんに朗報です。実は今、楓が外で待ってるんですよーー!!今日はちょっと私と予定がありましてーー!!笑 うふふ笑」

「楓」という名前を聞いただけで僕はドキッとした。そんな様子を見て乃々華はニヤニヤしながら僕にこう言った。

乃々華「下腹部さん、楓の事好きでしょ〜〜?笑」

僕は一気に耳が熱くなった笑 そんな僕の様子を見て乃々華はさらにニヤニヤしている。

僕「うるせーうるせー!!笑 別に彼氏持ちの人に片想いしてもいいじゃんか!!想うのは勝手だろ!?」

乃々華「そうですかーー!!笑 認めるんですねー笑 では私は下腹部さんが想いを寄せてる楓とのデートがありますのでー!!笑 お疲れ様でーす!!笑」

生意気な態度の乃々華は、僕に手を振っていた。

僕「おいおいw楓ちゃんにはゼッッッタイ言うなよ!!」

乃々華「当たり前じゃないですかー!!笑 そんな口軽くないですよ私ー!!笑」

僕「メチャクチャ軽そうなんだがwというか高校生はこれから深夜の時間なんだから、警察には捕まるなよw」

乃々華「私の親が迎えに来るので補導の心配はないですよー笑 車で移動ですしー笑」

そんな会話をした後、乃々華は急いだ様子で着替えを済ませて店を出ようとした。しかし扉の前で彼女は一旦立ち止まり、再度僕に話しかけてきたのだった。

乃々華「あっ下腹部さん!!そういえば楓が普通に話しているとこって見た事ないですよね?見てみたいですか?」

乃々華は少し真面目な顔になり、そんな事を僕に聞いてきた。

僕「いや、そりゃ見たいけど・・・何で?」

乃々華「私と2人の時は楓も普通に喋りますよ。あの子は極度の人見知りなので・・・」

乃々華は少し心配そうな顔で、楓の事を話していた。

僕「だよね。そりゃ誰とも全く喋らないなんてことは流石にあり得ないとは思ってたし。」

乃々華「昔はもうちょっと明るい子だったんですけどね。私も本当は心配です。」

含みを持たせたような言い方だったが、乃々華はまたニヤニヤした表情に戻り、そして出口の扉を指差した。

乃々華「楓はもう駐車場で待ってるみたいなんです。私だけ出るので、下腹部さんは私と楓の会話を聞いててください。楓の貴重な生声を聞けますよーー!!笑 あっでも、この事は楓には絶対に秘密ですよ?笑 バラしたら下腹部さんが楓の事好きって楓に言いますから!!笑」

僕「ちょ、おいおい!!」

引き止めようと僕は動いたが、乃々華は話も聞かずにそのまま店を出た。彼女が出た扉を僕は手で止めて、ひっそりと2人を観察する。

乃々華「お待たせーーー!!」

楓「お疲れ。」

乃々華「ママが「あと10分くらいで着くと思う!!」だって!!」

楓「10分も!?」

出口から比較的近い距離だったため、2人の会話は思ったよりもハッキリと聞こえた。楓はいつも通り学校のジャージ姿で深めに被った黒いキャップ、そして顔は大きな黒いマスクに覆われていた。

楓の声を聞くのはこれで2回目だが、やはり見た目とかなりギャップのあるハスキーボイスな事に改めて驚いた。そしてイントネーションも関西独特の言い方で、とにかく何もかもが意外だった。そしてそれが本当に可愛かった。

楓「なぁ、ちょっと・・・この辺トイレないかな?」

なんと楓は尿意を催していた。よく見ると静かに足踏みをしながら、小刻みに体全体を縦に揺らしている。

乃々華「またトイレ?楓って本当にトイレ近いよねー。前から言ってるけど、いつもお水とか飲み過ぎなんだってばー笑」

楓「今そんなんはどうでもいいんよ!!駅から歩いて来たけどここら辺ホンマにコンビニもないし・・・」

乃々華「お店のトイレ使えばいいじゃん!!」

楓「それは嫌や!!休みやのに何で来たん?って話しかけられるやん!!」

乃々華「だったら迎え来るの待とうよ!!10分くらい我慢出来るでしょ?」

楓「そら無理や!!車に乗ったとしてもそこからコンビニまで何分かかるか分からんし!!」

乃々華「従業員用のトイレは?」

楓「・・・・・・。」

楓はモジモジしながら考えていた。しかしもう我慢出来ないと観念したのか、乃々華にこんな事を質問していた。

楓「・・・バックヤードには誰もおらんかったの?」

僕は乃々華が「下腹部さんがいるよ!!」というような返事をすると思っていた。しかし彼女は予想外な事を言い出した。

乃々華「誰もいなかったよ!!今がチャンス!!笑」

僕は腹の底から「何言ってんだお前!!」と大声をあげてしまいそうだった笑 従業員用のトイレはバックヤードの一番奥。つまり楓がトイレに入るなら、ほぼ確実に僕の存在がバレてしまうのだ。

楓「ホンマに?」

乃々華「それならとりあえず私が確認してくるよ!!」

乃々華は笑顔でお店の従業員入り口に戻ってきた。右手を顔に立てて、僕に「ごめん!!」とジェスチャーをしたその後、僕にキッチンの中に入って欲しいと言うようなジェスチャーを続けた。

僕(嘘だろ・・・キッチンは店長に見つかったら流石にヤバイし・・・)

しかし乃々華に続くように楓の急ぐ足音も聞こえてきた。僕にはもう選択肢がなかった。なるべく物音を立てずに、ひっそりとキッチンの扉を開き、そしてバレないように入る事に成功した。その間に楓は小走りでトイレへと入っていく・・・。

ガチャン!!

急いでトイレの鍵をかける音が聞こえる。その音を聞いた僕は安心してゆっくりとキッチンから出てきた。本当はもっと隠れていたかったが、無断でキッチンに入っていることがバレたら今度は店長に怒られる。

鍵のかかったトイレの前では乃々華が必死に僕にジェスチャーを送っていた。しかし何を伝えたいのかが分からない。声を出すと楓にバレることはお互い分かっていたので、僕は必死に乃々華のジェスチャーを読み取ろうとするが、しかしやっぱり何を伝えたいのかが分からなかった。

痺れを切らした乃々華はバックヤードにある紙とペンを取り出した。恐らく僕に筆談で何かを伝えるつもりなのだろう。しかしその瞬間だった。

楓「ヤバイ・・・ホンマにヤバい!!」

トイレの中から楓の声が聞こえて来た。声の聞こえるトイレの扉に目をやると、扉と床の間の小さな隙間から、薄い黄色の液体がジワーーっと広がっていき、それがバックヤードの廊下の方までゆっくりと伸びていった・・・。

〜つづく〜

次の話はこちら→第4話 お漏らし後の片付け

前回の話はこちら→第2話 気付かれていた気配

はじめから読みたい方はこちら→第1話 無口な美少女

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