第3章 ヤケクソ
あれから1週間ほどが経ち、学校も始まりました。僕がこの日学校に来たのは、夏休みの宿題を提出する為でも、授業を受ける為でもありません。
目的はそう。B君を1発だけでいいからぶん殴ってやりたい。後でみんなからボコボコにされても良いから、何がなんでもアイツを1発ぶん殴ってやりたいとしか思っていませんでした。マジでヤケクソ。
しかしこの日のお昼になる前の休み時間、僕は信じれられない言葉をクラスの女子達の会話から聞いてしまいます。
女子A「新カップル誕生〜〜〜!! 詩乃ちゃんとB君なんだって!!」
女子B「えっ? 詩乃って下腹部くんと付き合ってなかったっけ?」
女子A「知らな〜い。別れたんじゃない?」
僕はこの言葉を聞いて、逆に怒りが薄れていき、何故か笑いが込み上げてきました。
僕(なんだよこれ、もう面白すぎるでしょwww)
僕はちょうどこの時、詩乃と付き合い始めた日のことを思い出しました。ある日、僕と詩乃が付き合った噂を聞きつけたB君が、僕にこう言ったんです。
B君「下腹部いいか? 俺はやろうと思えばいつでもお前と詩乃を別れさせる事ができる。俺を怒らせたらすぐに別れる事になるから覚悟しろ!!」
あの時の僕は、そんな脅しどうでもいいと思っていて、全く気にも留めていませんでした。
恐らくB君は詩乃の事が好きだったのでしょう。彼女は確かに可愛かったですから。だから彼は自分が詩乃と付き合う為に、僕に変な噂を流したんです。
この行為自体も許せなかったですが、僕を信じる事もせず、しかもすぐにB君と付き合った詩乃の切り替えの速さにも笑いが込み上げてきました。
さっきまで怒りに満ちていた自分の感情さえも恥ずかしくなり、僕はもうどうでもよくなってしまったんです。
僕(自分のせいだ。自分がこんな人間だから、いつも上手くいかない)
そして何故か、今度は自分を責めていました。いじめられたことも、いじめを誰かに告白できなかったこと、それ故に恋愛さえも上手くいかない自分が本当に嫌いでした。
僕(人との関係は浅くて良い。他の人から僕が一人に見えなければそれでいい。それが出来なければ死んでいい)
僕はこの事がキッカケというかトドメになり、以降、人と接する時は喋るくらいの関係になっていきました。男だろうが女だろうが関係なしに気軽に話しかけるけど、誰とも深い関係にはならない。なりたくない。
そんな考えを持つようになってしばらく経った中学校卒業間近の時、ついに僕の両親が離婚しました。結局姉の親権は母親になり、隣町まで母と姉と僕の3人で引っ越すことになったんです。
卒業後の進路を決めるときには既に離婚が決まっていたので、僕は僕をイジメていた奴らから逃げることも兼ねて、中学から遠い遠い高校への進学が決まっていました。この高校の同じ中学の人は僕を合わせて2人しかいません。しかも残りの1人は僕と話した事もないような女の子です。
高校に入学すると、当たり前ですが僕へのイジメは全くなくなっていました。普段からよく喋る僕は、男子だろうが女子だろうが色んな人と仲良くなっていきました。
イジメのない学校生活は驚くほど快適で、今までの学校生活がどれだけ窮屈だったのかも体感しました。
しかし僕の人間関係は相変わらずで、連絡先を交換して休日遊びに行ったりする友人もたくさん増えましたし、なんなら彼女ができた事もありましたが、やはり人に対して疑り深かくなってしまい、どうしても深い関係にはなれなかったんです。
こんな感じのまま、僕は高校を卒業し県外の大学に進学が決まりました。大学に入学しても結局同じで人との関わりは広く浅い関係。もうこの頃にはこれが自分の人間関係かと逆に開き直り、こんな生き方も悪くないと思い始めていました。
しかしそんな時、僕はある一人の女性と出逢います。
それは次の話→妻との出会い
前回の話はこちら→いじめられていた過去 小学校編②

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