これは僕が大学3年生の真冬の頃のお話です。強い寒波がきたある日、大学の友人に居酒屋に呼ばれました。
彼は拓也(たくや)と言って、大学時代仲の良かったグループの一人でした。どうやら久しぶりに彼女が出来たらしく、僕らに紹介したいということでのお誘いでした。
この連絡は結構いきなりだったのですが、僕の他にもう一人の友人、正吾(しょうご)も誘われていました。場所は大学近くのお店。徒歩で来た僕は、同じく徒歩で来た正吾と店の近くで遭遇しました。
僕「おう!! お前も誘われたのか?」
正吾「彼女が出来たとか、けしからんだろっ!! すぐ行くに決まってんじゃん!!」
僕ら2人はお店に入りました。
拓也「おせーぞ!! 死ぬほど待ったわ!!笑」
一番奥の席に拓也が座っていました。そして彼の隣には、とても小柄な女の子が恥ずかしそうに座っていたんです。
僕「すまんすまん!! お隣の子、噂の彼女? メチャメチャ可愛いじゃん!! 初めまして。拓也の友人の下腹部です」
拓也の隣に座っている彼女は身長145センチくらいの超小柄で、何故か服に着せられている感がありました。
正吾「お前、いつの間にこんなに可愛い子と付き合いやがって・・・なんだ?合コンか??ナンパか??」
正吾はいつものように相変わらずデリカシーの無い質問攻めでした。笑 すると拓也は、どこか誇らしげに話し始めたんです。
拓也「お前ら、コイツと会うの初めてじゃないぞ?笑」
僕&正吾「はぁーーーーーー?」
拓也「同じ大学だよ。なっ??」
拓也はそう言って彼女の方を見ると、彼女は小さく頷きました。
僕「年下?」
拓也「いいや、同い年」
正吾「学部は?」
拓也「俺たちと一緒だよ?」
僕&正吾「はぁーーーーーー?」
こんなに可愛い子、大学で見た事なんかないと思っていましたが、でも確かに彼女のお顔をよく見ると、どこか見たことあるような・・・数秒間考えた後、僕はハッと閃きました。
僕「もしかしてだけど・・・分かったかも・・・」
拓也「やっと分かったか。ビックリしただろ???」
僕「ちょっとビックリしすぎてコメントがないわ笑」
そう。拓也は全く嘘をついておらず、彼女は実際に同学年の同学部でした。しかし僕が知っている彼女はとても地味な女の子で、ボサボサなロング髪と似合っていないメガネが印象的な子だったんです。
僕は彼女の地味さが気になってはいたものの、顔は整っていたので、オシャレしたら絶対可愛くなると思っていましたが、まさか拓也が彼女と付き合い、大変身をするとは思ってもみませんでした笑
僕「やっと分かったわ!! スゲー可愛いくなったね!! でもごめん名前は知らないんやけど・・・」
拓也「まこだよ。まこちゃんって呼びな笑」
僕「お前が改造させたのか?こんな美女に笑 いや、前からまこちゃん整った顔してんなとは思ってたよ?」
拓也「よく言うよ笑 美容室で縮毛矯正して、ざっくりショートにして、ついでに茶髪にカラーしてもらった!! で、メガネからコンタクトに変えて化粧もしてみた。俺の姉さんがお化粧やってくれたんだよ笑 可愛いでしょ?」
僕「それで服もオシャレしてってか。いくらかかったんだよ笑」
拓也「まこが可愛くなるなら、いくら払っても良いよなー笑」
僕「ほんと見違えるわ・・・まるで別人だよ。めちゃめちゃ可愛い!!」
彼女は本当に可愛くなっていたので、僕は自信満々に彼女の目を見て「可愛い!!」と言うと、メチャメチャ照れていたのがさらに可愛かったです。
そして面白いのが、話について行けてない正吾でした。
正吾「誰???本当にこんなヤツいたか?」
拓也「お前まだ分かんないのかよ笑」
僕「女の子に指差してこんなヤツって言うなっ!!笑 女の子の変化に気づかないし、デリカシーがないからお前は彼女出来ねーんだよ笑」
正吾「うるせーーーー!! お前だって彼女いねーじゃねーか!!」
僕は自分もしばらくまこちゃんの正体に気付かなかったクセに、かなり偉そうにしていました笑 そんなこんな会話をしてても埒が開かないので、お店の注文に入ります。
拓也「そういえばお前ら、歩いてきた?ちょっとお願いがあるんやけど・・・」
僕&正吾「なに?」
拓也「俺、明日早朝からサッカーの遠征なんよね・・・だから車で彼女を実家まで送って欲しいんやけど・・・だから一人ハンドルキーパー・・・」
僕「お前は車で来たの?お前の車使っていいのか?」
拓也「そう。下腹部どうだ?コイツを家まで送ってくれたら、車は明後日の朝10時に俺の家の駐車場に返せばいいから。だから明日は自由に俺の車乗り回していいぞ。ガソリンも入れなくていい。お前いつも自転車だろ?どうだ?やるか?」
僕「その話・・・乗った!!笑」
結局僕以外の3人はお酒を飲むことになりました。まこちゃんはカシオレを1杯飲んだだけで顔を真っ赤にしていました。それも可愛い。笑
お開きになって店を出ました。4人は拓也の車に乗り込んで僕が運転することになり、正吾と拓也を家まで送りました。
拓也「すまねぇなーーー。まこを頼むわーー。可愛いからって車内で襲うなよ笑」
僕「正吾よりもお前がデリカシーないじゃねーか笑」
こうしてまこちゃんと僕は車内で2人きりになりました。
僕「で?家までだよね?実家?住所は?」
まこ「実家は・・・」
僕は彼女の声を初めて聞きました。声もメチャメチャ可愛い。
まこ「〇〇市の〇〇なんだけど、分かる??」
僕はあまりの遠さに驚きました。
僕「えっ待って。そんな遠いの?笑 とりあえず周辺まで行くから、近づいたら道案内してよ」
僕は車を走らせました。
車でおよそ1時間くらいの道。もう真夜中になっていて、九州にしてはかなり冷え込みも激しく、気温は大体−2℃くらいだったと思います。フロントガラスを濡らして放置すると凍るくらいです。
僕「〇〇って山だよね?道が凍結してたらどうしよ笑」
僕は運転初心者とは思えないミッションを抱えてしまいました笑
僕「どうやって付き合ったの? 家遠いのにどうやって大学に通ってるの?」
無言の彼女に僕はなにか話さないとなと思い、質問攻めをしてしまいました。彼女は小さい声で答えてくれましたが、やはり男には慣れていない様子。
やっぱりあんまり話しかけない方がいいかと思っていると、途中コンビニが見えました。僕は普通にスルーしてそのまま運転を続けていたのですが、その時に珍しく彼女から話しかけてきました。
まこ「あの・・・コンビニ、次寄って欲しい・・・」
僕「オッケー」
トイレだと気付きましたが、こんな感じで僕は軽く返事をしました。彼女は居酒屋でトイレに立っていませんでしたが、カシオレを1杯飲んだだけだったので、限界ってほどでもないだろうなと思っていたんです。
しばらくすると次のコンビニが見えてきました。僕は忘れたフリをして、彼女におしっこを我慢をさせようと思ったんです。スルーするとその直後、彼女は僕を睨みつけるように見てきました。そして間髪入れずにこう言い放ったんです。
まこ「コンビニ戻って!! トイレ行く!!」
今まで小さな声だった彼女は、いきなり声色を変えて大きく叫んだのでメチャメチャビックリしました。笑
僕「ごめんごめん忘れてた・・・次あったら絶対寄るから!!」
まこ「今のが最後のコンビニなの!! 戻ってよ!!」
よく見ると彼女は股間付近に両手を添えていて、モジモジしていました。
地元ということもあって彼女には土地勘がありました。そして数十秒前と比較して完全に豹変している彼女に、僕は怯んだんです笑
僕は車をUターンさせ、コンビニの駐車場に停めました。彼女は車を飛び降りると、ダッシュでトイレに入っていきました。
僕はバレないように彼女の跡をつけ、トイレの前で耳を澄ましていましたが、彼女は音消しをしてしまい、音が全く聞こえませんでした。
トイレットペーパーを巻く音も聞こえてきたので、これは無理だなーと思った僕は放尿音を聞くのを諦め、彼女にお詫びの温かい飲み物を選んでいました。
2人で車内に戻ると彼女は尿意から解放されたからなのか、元の静かな女の子に戻っていました。
僕「ごめんな、コンビニ寄るのを忘れて」(本当はわざと笑)
まこ「ううん。いいの/////」
彼女は恥ずかしそうにしていて、尿意のせいで豹変してしまった自分に反省しているようにも見えました。
僕「おしっこ、我慢してたの?」
僕はド直球に質問しながら彼女に温かい飲み物を渡しました。
彼女は会釈をしながら飲み物を受け取りましたが、黙っていたままでした。答えたくなかったのでしょう。
僕「我慢出来なかったから、焦って怒っちゃったの?」
僕は彼女が少しでも首を縦に振ってくれないかと必死でした笑。しかし彼女は黙ったままで、僕の質問に困惑と引いてる様子が見てとれました。笑
僕はさっきまで散々友人2人に「デリカシーがない」と言っていましたが、一番デリカシーがないのは間違いなく僕でした笑
そんなこんなで運転を再開した僕。そこから30分ほど車を走らせ、山奥の小さい住宅街にある彼女の家に到着しました。
まこ「遠いのにありがとう。飲み物もご馳走さまです」
彼女は丁寧にお礼を言って、家に入っていきました。
僕(可愛い上にメチャメチャいい子じゃん。アイツには勿体ねーなw)
そう思いながら僕は、自分の家に向かいました。
ちなみに当時は年が明けたばっかりで、学校はまだありませんでした。数日後に学校が始まると、イメチェンしたまこちゃんの周りには女の子たちが「可愛いーー!!」と集まっていました。一躍人気者です。
そして驚くことにその頃には、拓也とまこちゃんは破局していました笑 何があったんだ笑 早すぎだろ笑 中学生カップルか笑
拓也はほぼほぼ、まこちゃんの変身費用を払っただけでしたwww
まこちゃんにとっては、初めてのお付き合いだったという拓也。しかし彼をはじめ、周りの僕らのデリカシーの無さに落胆してしまったかもしれません。笑
僕は心の中で、あのコンビニでの事件を改めて謝罪しました。
ちなみにこの話の翌日、つまり拓也から車を丸一日借りれた日、僕は一人の女の子を誘っておしがまドライブをしようと企むのですが、それも失敗に終わってしまいました。笑
もし失敗してなかったらという体で妄想を膨らませた小説があります。そしてその小説の最後には、現実のおしがまドライブがどうだったかなども書いています。
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