瑠奈「お兄ちゃん!! 早く!!」
陸「はいはいー」
俺は陸(りく)という名の高校3年生。今日も眠そうにしながら支度をして、学校に向かおうとしている何気ない日常の最中だった。朝のトイレを済ませてトイレから出ると、なんと珍しく妹の瑠奈(るな)がモジモジしながらトイレの前で待っていた。
瑠奈は俺の1学年下の同じ高校に通う女子高生だ。俺に全く顔が似てなくて、贔屓目で見なくても間違いなく可愛い。まだ彼氏はいないみたいだが、もし出来ようもんなら兄であるこの俺が許さない。
瑠奈「アンタの後とか最悪!! なんで先に入るって言ってくれなかったの!!」
瑠奈はそう言いながら、ガチャンと少々乱暴にトイレのドアを閉めた。しばらくすると「シューーーーッッッ!!」とおしっこの音が聞こえてくるではないか。
陸(うーーーーーわ瑠奈のおしっこの音じゃん。学校では完璧を装っといて、家ではこんなはしたない音を出してるなんてなー笑)
俺はしばらく妹の放尿音を聞いていた。音は想像以上に大きく、そして間違いなくいつもより長かった。朝のトイレと言えどいつもは20秒くらいで出し終わるのだが、今回は倍の40秒くらいは出していたような気がする。そして勢いもいつも通り抜群だ。
コロコロコローーーー
トイレットペーパーを巻く音、そしてわずかに拭く音が聞こえてきたような気もする。しばらくすると流す音も聞こえてきた。
ジャーーーーーー!!
その途端、瑠奈がトイレから出てきた。
瑠奈「何トイレの前に立ち尽くしてんの?普通にヤバくない?」
瑠奈は俺を睨みつけてきた。
陸「うるせーなー。考え事してたんだよ」
こうして俺のいつもの通学は始まった。
高校に入学してから、俺は基本的に毎日自転車で通学しているが、今日はあいにくの雨だったので電車で向かうことにした。妹はいつも電車通学。さっきも言ったように同じ高校だから、瑠奈と同じ電車に乗ることになる。
瑠奈「お兄ちゃんもっと離れて!! というか次の電車に乗ってよ!! いつも私にくっつくな気持ち悪い!!」
俺に対しての妹の暴言は日常茶飯事だ。もはや耳に入ってもそのまま流れていく。2人はいつもの時間にいつもの電車に乗った。正直、雨じゃなければ電車は極力避けたい。満員電車は乗るだけでも疲労する。
降りる駅までは乗り換えはないが少々長い。ぎゅうぎゅうの電車内の隙間からスマホをいじってSNSをチェックしていると、ふと急に背中から、物凄い衝撃を食らってしまった。
陸「痛ぁーーーー!!」
俺の叫び声が、満員電車の中に響いた・・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
陸「び・・・病院?」
夢から覚めた俺は、ようやく目を開けた。母親がじっと俺を見つめていた。
母「良かった起きてくれて。母さん一時はどうなるかと・・・本当に心配したんだから!!」
話を聞くとどうやら俺は、電車内で突然気を失ったらしい。もちろん記憶はないのだが、瑠奈がすぐに対応してくれたらしいのだ。
陸「・・・瑠奈は?」
母「学校よ。あの子も凄く心配していたわ」
病室の時計を見ると昼の12時半だった。かなり長い時間意識を失っていたみたいだ。
陸「俺は・・・?? なんで電車内で、あ・・・いや、そういえば!!」
思い出したことを話そうとした俺の話を遮って、母が話しかけてきた。
母「検査の結果は特に異常なしだって。アンタ最近、勉強頑張り過ぎなんじゃない? お医者さんが過労なんじゃないかって言ってたわよ。共通テストも近いのに、体壊したら元も子もないわ」
母はそう言って、俺の大好きなメロンパンを差し出してきた。
母「食べる? 食欲あるかしら?」
俺は無言でメロンパンを受け取った。
母「それとも学校で何かあった? 悩みがあっても母さんに話しづらいなら、お父さんにでも話してみなさい。母さんはそろそろパートに戻るわね」
母はそそくさと病室を後にした。俺が声をかける余裕もないくらいだった。
もちろん疲労や悩みが全く無いわけではない。しかし、倒れた理由は明らかに違うと確信していた。何故なら俺が倒れる直前、明らかに背中に何かを刺されるような感覚があったからだ。ナイフか何か・・・とにかくそんな感じだった。
鏡を使って自分の背中を見てみた。あの時の激痛も今や全くと言っていいほどなかったことに、俺は心底不思議に思っていたが、よく見ると刺し傷のような変な跡がついている事が分かった。
陸「3? 数字の3みたいな数字に見える」
背中の傷跡が数字の3に形が似ていることが気になった。普通こんな形の傷跡になるだろうか?
陸「何だこれ? やっぱり俺、疲れてるのかな?」
そんな事を言った俺は、今度は急な眠気に襲われた。そしていつの間にか気持ちよくベットの上で熟睡してしまったのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
瑠奈「お兄ちゃん!! ほら、お兄ちゃん!!」
俺は妹の声で目が覚めた。時計を見ると夕方の6時半。だいぶ長い間、寝てしまっていたようだった。
瑠奈「やっと起きたーーー!! 心配したよこのバカ!!」
陸「心配だったんなら、気持ちよく寝てる病人をわざわざ起こすなよ」
相変わらずバカな瑠奈が可愛いと思ってしまっていた。制服がよく似合っている瑠奈もそろそろ17歳。いつも俺を毛嫌いしているが、間違いなく瑠奈はブラコンだ。間違いなく俺が大好きだ。笑
瑠奈「今朝が雨で本当に良かった!! あの時もしお兄ちゃんだけ自転車だったら、1人で倒れて発見されるの遅れたはずだし・・・」
妹は心配そうに俺を見つめていた。
陸「あぁ。お前が対応してくれたんだろ? ありがとな。いつも俺を嫌ってるけど、肝心な時は役に立つな笑」
瑠奈「はぁ? 倒れてる人を放置する方がどうかしてるじゃん。別にアンタが好きとかそういうことじゃなくて、ただ当たり前のことをしただけというか、モラル的にというか、暇だったからちょっと急いで救急に連絡して周りの皆んなに協力してもらって次の駅でアンタを下ろしてもらっただけだし・・・」
陸(本当によく喋るなぁ〜)
そんな事を思っていると急にそして無性に、俺は妹の額を触りたい衝動に駆られた。今日はやたらと不思議な感覚に襲われる。何故、瑠奈のおでこなのか。しかし俺は、自分の抱いている衝動的感情に素直に従うことにしたのだった。
陸「本当に・・・ありがとな」
俺はなるべく自然を意識して、瑠奈のおでこを触った。
瑠奈「ちょっと//// 触んないでよ!! というか今のは状況的に頭を撫でるでしょ。何でおでこを触ってんのよ!!」
陸「なるほど。瑠奈は俺に頭を撫でて欲しいのか」
俺はすかさず瑠奈の頭をなでなでした。
瑠奈「ち、違うって//// もういい私帰るっ!!」
瑠奈は急いで立ち上がり、何も言わず病室を後にした。
陸「それにしてももう元気なんだから、ずっとベッドの上にいるのも暇だよなー」
何でもない独り言をいいながら、母親が持ってきてくれた自分のノートパソコンに目をやった。
陸「まぁアニメでも観て暇潰すか。ってかWi-Fiあるのかな?」
パソコンを開いてネット回線に繋ごうとした。その時だった。
陸「な、何だこれ?」
パソコンのデスクトップ画面は、いつでもまっさらにしないと気が済まない俺だったが、右上に全く身に覚えのないファイルがあることに気がついたのだ。
陸「ち・・・蓄尿履歴?」
ファイル名には「蓄尿履歴」というタイトルが付いていた。何度も言うが、身に覚えがなさ過ぎる。
陸「ウイルスかなんかじゃないよな・・・」
俺は恐る恐るファイルをクリックした。
画面はすぐにエクセルに切り替わった。一番上に書かれていたのは、なんと妹の名前だったのだ。
横山 瑠奈(ヨコヤマ ルナ)2007.01.30生 身長160cm 体重50kg
そこから下は超大型のエクセルのテーブルが出ていた。一番左の行は日付と時間が古い順に並んでいて、その右の行にはml単位で数字が書かれていたのだった。
日付は2007年の1月30日から始まっている。瑠奈が生まれた日だ。その隣には26という数字だけがあり、さらにその隣の行には備考欄なのか「反射排尿」という文字が数え切れないほどの列で並んでいた。
俺はスクロールしてどこまで数字があるのか確かめようとした。しかし量が多過ぎて、最後の列にいくのに苦労した。最後の列はなんと43,450という数字だった。
陸「一体、何なんだ・・・これは?」
不思議に思った俺は再度、ファイル名を読んだ。
陸「蓄尿履歴・・・つまりこれは、瑠奈が生まれてから今日までの、瑠奈の膀胱に蓄えられたおしっこの履歴って事なのか・・・?」
また俺はエクセルに目をやった。一番最後である43,450の列には今日の日付、そして今から5時間ほど前の時間が書かれていた。
陸「2024年1月11日の13時23分。これが最後。尿量は335ml。備考欄は「尿意」とだけの記入・・・」
不思議に思っていると、なんと急に列がまた1列増えた。43,451列目だ。
陸「2024年1月11日18時41分・・・まさに今の時間だ!! この履歴、リアルタイムで増えていくのかよ!!」
右の行へ目をやると「320ml」という尿量と「尿意」という備考欄も出てきた。
陸「ということは今、瑠奈がどこかで尿意を催して320mlのおしっこを出したってことか? 何なんだよこの履歴・・・」
そんなことを言いながら少し履歴を遡ってみると、今日の日付の朝の時間帯に980mlという尿量が記入されていることに気がついた。その瞬間、俺はハッとした。
陸「け・・・今朝のあの時のトイレだ!!」
そう。あの時、俺が学校に行く前に入ったトイレの前で、モジモジしながら待っていた瑠奈の事を思い出したのだ。履歴に書かれている時間も合っている。
陸「980mlって、そりゃーあれだけモジモジもするもんだよな。すげー我慢してたんだな」
その時の備考欄をみると「非常に強い尿意」と書かれていた。俺はこの7文字で、そしておしっこの事で、しかも妹のことで性的興奮を覚えていることを自覚した。
陸「ちょっと待て。これ瑠奈の人生で出したおしっこ全てが書かれているんだよな?」
そんな独り言を発しながら、俺はまたエクセルをスクロールして1番はじめの列に戻った。
陸「これが、瑠奈の人生初めてのおしっこ。最初は反射排尿っていうのか? 赤ちゃんの頃は自然におしっこが出ちゃうのかな?」
テーブルをどんどん下に持っていく・・・。すると、次第に尿量が多くなっていることに気がついた。
陸「成長と共に、膀胱も大きくなっていってんだな」
俺は非常に興奮していた。今朝の事以外でも、もっと我慢せざるを得なかった日があったかもしれない。俺は時間がかかることを承知で、瑠奈の蓄尿履歴を片っ端から見てみることにした。
陸「尿意じゃなくて、夜尿って・・・」
俺は瑠奈が5歳の頃の深夜時間帯にあった「夜尿」という備考欄が目に止まった。
陸「瑠奈ってオネショしたことあったんだ。結構意外。まぁでも5歳だし当然か・・・」
止められない興奮を必死に抑えながら、俺はさらに履歴を見ていった。
陸「495mlかよ!! 日付は2013年5月20日。ここだけ「非常に強い尿意」ってなってるけど・・・」
数え切れないほどの彼女の蓄尿履歴を見ることで、気がついたこともたくさんあった。それは朝のおしっこは比較的尿量が多いこと。これは夜寝ていた分が蓄えられているのだから、当然と言えば当然だ。
しかし瑠奈が6歳の頃の495mlという履歴は、朝の時間帯ではなかった。当時の瑠奈の蓄尿量は平均150mlくらいで「尿意」という備考欄が連続していた。朝の時間帯だけ250mlや300mlなど増えるものの、この495mlという数字だけは異常に多かった。
陸「俺も瑠奈ももちろん覚えてないだろうけど、何かトラブルがあって我慢することになったんだろうなー」
俺の興奮は止まらなかった。瑠奈は6歳の時点で、500mlのペットボトルくらいのおしっこを溜めることが出来ていたのか。あんなに小さかったのに・・・。
陸「漏らしたら漏らしたで、備考欄って変わったりするのかな?」
その瞬間、俺は瑠奈の昔の失禁事件を思い出した。
陸「そうだ!! 確か俺が小4の頃だから、瑠奈が3年生の頃、確か・・・冬くらいだったよな!!」
俺は急いで履歴を下にスクロールしていった。2015年の12月に入ったところでスクロールのスピードを緩め、ゆっくりと備考欄を見ていった。
備考欄は基本的に「尿意」という文字ばかりだが、たまに無記入のところがある。そしてその時の尿量は100mlにも届かないことがしばしばだった。恐らく大をしていたついでにおしっこを出したり、行きたいわけでもないのに念の為にトイレに行った為だろう。俺はこんな事を考えながら、さらに興奮してしまっていた。情けない兄だ。
陸「・・・あった!! これだ!!」
日付は2015年の12月21日の11時25分。月曜日だから恐らく平日で学校の日だろう。その時の備考欄は無記入でも「尿意」でもなく「失禁」という文字だった。
陸「あの日の教室のお漏らしも、しっかり反映されてる・・・!!」
俺は改めて、あの時の失禁事件を思い出した・・・。
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