このページは長編小説2023年シリーズ『ラッパ水仙と性癖』の第2話です。はじめから読みたい方はこちらからどうぞ→第1話 2人の関係
登場人物紹介
| 名前 | |
| 齋藤 雄介 （さいとう ゆうすけ） |
この物語の主人公。地元の広告代理店で働く2年目の平社員。23歳。身長173センチ。痩せ型。基本いつでも1人の陰キャ。なのに何故かグルメ。 学生時代からの友人もほとんどいない。仕事は最低限の事ができる程度で色々とポンコツ。女性の放尿を見るのが好きという特殊性癖持ち。上司である橘に好意を抱いている。 |
| 橘 美緒 （たちばな みお） |
この物語のヒロイン。齋藤と同じ会社に勤める営業部の主任。入社5年目で齋藤の直属の上司という立場。バリバリのキャリアウーマンで、誰もが認めるくらいの美貌を備えた26歳。はっきりモノを言うタイプで部下から恐れられている。身長160センチ。痩せ型。基本的にトイレが遠く、音消しも基本気にしない。松田とは従兄弟の関係。 |
|
松田 壮吾 |
今の時点ではほとんど情報のない25歳男性。橘の従兄弟で彼女より1つ年下。齋藤と橘と同じ会社に勤める4年目の平社員。身長175センチ。中肉。 |
橘「私と松田くんの関係、知りたいの？」
彼女は唐突にこんな質問をしてきた。まるで僕の心が読めるかのように・・・。一番聞きたかったことを彼女が自ら質問してくれるなんて、全く思いもしなかった。
僕は彼女と地下鉄の階段を降りながら、答えを待っていた。もちろん彼女と松田の関係性に興味がない訳がない。
橘「・・・いとこなの」
齋藤「・・・へっ？」
意外すぎる答えに、僕は変な返事をしてしまった。
橘「どうせ付き合ってるーーーとか思ってたんでしょ？笑 残念ハーズレーーー!!笑」
普段クールな橘さんは、今日はやけに明るい気がした。こんなに明るい一面もあるんだと驚いたと同時に、そんな彼女を見て、僕は一層彼女が好きになっていく・・・。
橘「松田くんは私の母親の妹の息子なの」
そんなことを思っていると、彼女は話を続けた。
齋藤「あっ、だからあんなに仲良いんですね？」
橘「仲良いってやっぱり思ってたんだ？」
齋藤「思いますよ。だって松田さんにだけ心開いているというか、上手く表現できないけど・・・そんな感じがして・・・」
そんな会話をしながら、僕ら2人は改札を抜けた。
橘「みんなには内緒ね？」
彼女はそう言いながら、長い人差し指を自身の唇に立てていた。僕は彼女のこの発言に、少し違和感があった。別にいとこ同士なんて会社の人に隠す必要はない。何故秘密にする必要があるのだろうか？
そう思った僕は、無意識に彼女に質問してしまった。
齋藤「何で、みんなに内緒なんですか？」
そう質問をされると彼女の表情は一瞬、核心を突かれたように強張った。
橘「何でって、松田くんがやたら隠したがるからよ・・・」
齋藤「・・・本当にそれだけですか？」
やはり違和感の残る彼女の答えに、僕はしつこく聞いてしまった。明らかに彼女の様子がおかしい・・・気がする。
橘「話はここまでにしようよ。終電逃したら大変だよ？」
そう言って、彼女は逃げるようにホームの階段を降りていった。
齋藤「あっすいません、お疲れ様ですっ!!」
僕はただただ挨拶をする事しかできなかった。まだ終電までは少し時間がある。だからと言って、彼女を引き止めることなんてもちろん出来なかった。
齋藤（絶対何か隠しているな・・・）
僕は彼女が乗った電車とは反対方向の電車に乗りながら、ずっとそのことばかり考えていた。そしてそれと同時に、無意識に彼女に尋問するような態度になってしまった自分に反省していた。
絶対何かを隠している。それも何処か助けを求めているような・・・どことなく僕が彼女を守ってあげなきゃという意識が向いてしまう。
でも自分じゃ何もできない。きっと彼女が本当のことを話すこともないだろう。そう自分に言い聞かせると、そんな自分に無意識に腹が立ってくる。
齋藤（でもなんでだろう？女性相手なのに、今日は何でこんなに自然に話せたんだろう？）
僕は自分で自分が嫌になる前に、無理やり違う考えをすることにした。でもそうだ。考えてもみれば今日は一瞬だけだけど、橘さんととても自然に会話をしていたと思う。
僕は人生で初めてといってもいいくらいに女性と普通に会話をしている自分に驚いていた。今日だけで生まれて23年分の女性との会話を超えている気さえした。もちろん母親を除いてだ笑
齋藤（もっと橘さんと会話をしてみたい。いつも怒られてばかりだけど、できれば仕事以外の何気ない普通の会話を・・・）
そう思いながら今度は、自分の頭の中で時間を巻き戻し、1人で興奮をし始めていた。
さっきまでの1時間くらいでいろんな事がありすぎた僕は、落ち込んだり、自分に驚いたり、興奮をしたりしていた。大渋滞だ。
齋藤（橘さんの・・・おしっこの音///）
人生で一度も聞いたことがなかった女性の放尿音。それもまさか好きな女性の生音を、この耳で聞けるなんて夢にも思っていなかった。そもそも僕は、彼女がトイレに立ったところを今まで数回くらいしか見たことがない。それも会社の忘年会と新年会というお酒の席だけだった。
会社で働いている時も彼女がトイレに立つのを意識して見ているつもりではあったが、考えてみれば一度もないことに今気がついた。
彼女は営業部の主任という立場上、取引先への出張もかなり多い。きっと外出先のコンビニのトイレなどを借りているんだろうと思った僕は、今までそう深くは考えなかった。
齋藤（色んなことがあったけど、とりあえず今日は橘さんの放尿音でヌこうかなー）
そんなことを考えながら、日付を跨ぐ寸前の地下鉄に揺られていた僕だった・・・。
3日後。いつもの月曜日を迎えた僕は、いつも通り仕事の準備をして、家を出て、電車に乗り、そして出社した。
齋藤（今日からは橘さんのトイレに行く頻度を、今までより意識して観察するぞっ!!）
週明けだというのに、僕はルンルン気分で職場に向かっていた。これも橘さんの放尿音のおかげだ。
今までそこまで意識していなかった、彼女のトイレに立つ瞬間を目にすることを目標に、気合を入れて出社していた。我ながら仕事に気合を入れろとは思うのだが・・・。笑
齋藤「おはようございます!!」
当たり前の慣れたいつもの朝だった。普段通り、定刻の10分前には席についている僕。仕事はできないが、勤務態度だけは何気に優秀だった。
橘「おはようございまーす!!」
10分後、遂に彼女が出社してきた。相変わらず彼女はいつも通り時間ギリギリだ。その後すぐに始まった朝礼を済ませて勤務に入る。僕は常に、そしてなるべく自然にを意識しながら、橘さんを監視していた。
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時間は流れて17時。退勤の時間だ。僕は今やっている作業が終われば帰るつもりだった。そしてやっぱり橘さんはトイレに立たなかった。というより、お互い途中外出などもあって常に観察が出来なかったというのが正しいだろう。彼女は相変わらず忙しそうにしていた。
橘「申し訳ありません。大変失礼致しましたっ!!」
彼女は定刻を過ぎても電話対応をしていた。しかも何故か珍しく謝っている。しばらくして電話が終わると、彼女はすぐに席を立った。
ガタンッッッ!!
遂にトイレに立つのか？僕はそう思って興奮し始めた。しかし彼女の足音はオフィスの出口ではなく、僕の席へと向かってくる。なんとなく僕は嫌な予感がしていた・・・。
橘「齋藤くん。話があるからちょっと来て!!」
やっぱり僕はやらかしたようだ・・・。
部長「橘くん。しっかり指導を頼むよ。今回の件は上司である君がしっかりしなきゃね」
橘「申し訳ありません。私の確認不足でしたっっ!!」
僕は橘さんと2人で会議室に呼ばれていた。どうやらクライアントからクレームが入ったみたいだ。どうやら書類に不備が見つかったらしい。無論、その書類は金曜日に僕が書いたものだった。
よりにもよって今回は商談が取り消しになる程の大きなミスだった。それも橘さんと2人で部長から怒られることなんて、本当に珍しい事だった。
結局、クライアント先からの許しは得たものの、念の為ということで僕は後日、橘さんと2人で謝罪しに行くことになった。
齋藤「あの・・・書類の不備、すいませんでした!!」
会議室を出た僕は、真っ先に彼女に謝った。会議室のある9階からオフィスがある10階に向かう途中のエレベーター内。何気に彼女と2人きりになるのは初めてだ。
橘「いいのいいの!! 私が忙しくて確認怠ったのが悪いんだし!!」
彼女は珍しく僕を責めることはしなかった。上司という立場上、責任を感じているのだろう。怒られている彼女を見るのも初めてだった。
橘「もう18時過ぎてるし帰っても良いんじゃない？気持ちも沈んでるだろうし、私も机片付けたら帰るつもりだから」
ピンクの腕時計を見ながら彼女はこう言った。僕はすかさず返事をする。
齋藤「あっはい、僕はもう帰ります」
チーーーン
そんな会話をしていると、あっという間にエレベーターは10階に着いた。
エレベーターのドアが開いた。僕は真っ直ぐオフィスに向かったが、彼女はなんとトイレに向かった。
齋藤（おっっっ!! おーーーー!!）
心の中でガッツポーズをした僕は、オフィスに入るフリをして足を止め、先週のように女子トイレのドアの前まで忍び足で移動すると、彼女の放尿音を今か今かと待っていた。
ガタンと個室に入る音が聞こえてから、しばらく無音状態が続いた。ものすごく長い時間に感じた。先週みたいにオフィスから誰も出てこないことを、心の底から願っていた。
「シューーーーーーーッッッ!!」
そして遂に聞こえてしまった。あの美人な橘さんの放尿音を。前回とは違い、今は誰も邪魔する者はいない。僕はこれでもかというほど、耳に全神経を集中させた。彼女がドアの向こうでしている、おしっこという排泄行為を今、まさに耳にしているのだ。
「シューーーーーーーッッッ!!」
長かった。彼女のおしっこは止まらなかった。こんな量をあんなに平然を保って我慢していたのだろうか？僕は彼女の放尿音を聞きながら、さっきまでの彼女の行動を振り返っていた。
僕と一緒に怒られていた時、彼女の両足はピタッと閉じていたような気がする。さっきまで一緒に乗っていたエレベーター。少しモジモジしているようにも見えた気がする。しかしどれも確証がない。僕自身も怒られていて、当時はそれどころじゃなかった。
大きなミスをして気分が落ち込んでいた僕は、彼女の放尿音を聞くだけで一転。最高潮に達していた。そして彼女の放尿は気がつけば終わっていて、トイレの流す音も聞こえてきた。
ジャーーーーーーーーー!!
ヤバいと思った僕は、急いでオフィスに忍び足で戻ることにした。
齋藤「お疲れ様です」
僕は興奮が冷めないまま急いで机上を片付けた数分後、そのままオフィスを後にした。もちろん興奮しているのは放尿音のせいだった。
橘「はいっ!! はいっ!! 承知致しました!!」
遅れてオフィスに入った橘さんはまた電話をしていた。やっぱり彼女はすぐには帰れないだろう。忙しそうだ。
橘「斎藤くん!!」
すると彼女は、受話器を左手で押さえながら僕を呼んでいた。僕はオフィスのドアに手を触れながら振り返った。
橘「さっきの謝罪の件、明後日水曜日の午後に行く事になったから、よろしくね!!」
斎藤「あっはい。すいませんがよろしくお願いします!!」
僕は彼女にお辞儀をしてオフィスを出た。明後日また一緒に行動することになった僕は、密かに楽しみにしている自分がいる事に気づいた。
齋藤（橘さんと一緒にいれるなら、もう何度でもミスっちゃえ!!）
ダメだと分かっていながらも、自分勝手な僕はついついそんな事を考えてしまっていた・・・。
〜つづく〜
次の話はこちら→第3話 60センチの隙間
前回の話はこちら→第1話 2人の関係
オススメ
看護師を目指す専門学生の女の子。まさか泌尿器の授業でみんなに自分の膀胱を見られるなんて・・・
その名の通り、おしがまに特化した僕のアレンジトランプゲーム。真似してくれる人がいたら泣いて喜びますと言っているのに、やってくれる人がいないどころか、そもそも閲覧数が少な過ぎて違う涙が出てきている今日この頃。
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