※今回のお話は数年前にリクエストを頂いたクラスで1番トイレの遠かった女の子の貴重な放尿音というエッセイ部屋でのエピソードを恵ちゃん目線にしたバージョンです。
もし良ければそちらのお話も読んでいただければ嬉しいです!! リクエストしていただきありがとうございました。そして遅くなってすいません!!
それでは本編に入ります↓
自覚していたこと
私は前田 恵(まえだ めぐみ)。公立の高校に通う3年生で、幼い頃から人前でトイレに行くことを恥ずかしいと思う人間だった。
何故ならトイレに入る様子を人に見られたら、その人に「今からこの人、トイレでおしっこをするんだ」と思われるような気がしてならないからだった。もちろん考え過ぎな事は分かっているし、人間誰しも生きている以上、「排泄」という行為をせざるを得ないことも理解している。
しかし、私にはこれがどうしても恥ずかしかった。当然学校でも極力尿意を我慢するような毎日を送っていた。小学生時代からそんな癖が付いていた私の膀胱は成長とともに大きくなり、中学時代になると学校ではほとんど尿意も催さなくなった。
私は通常1日2度のトイレに立つ。この生活が体に悪いという自覚は一切なかった。むしろ日頃から尿意を我慢する癖がついた努力の賜物だとさえ思っていた。人よりトイレに行く回数が少ないという事は、日常生活を送る上でとても合理的だ。
例えばの話、1時間おきにトイレに立つ人と、1日2回しかトイレに行かない人を比較すると、排泄に消費する時間を考えればその差は歴然だ。つまりトイレが遠いという事は、人生において自由な時間が増えるということになる。トイレットペーパーも使用量が少ないので環境にも優しい・・・いい事づくしだ。
そんな私はある日の授業中、斜め前の席に座っている男子が尿意に苦しんでいる様子が目に入った。そしてそれを揶揄う前の席の女子達。話を聞くと何やらトイレの話で盛り上がっているみたいだった。尿意を我慢出来ないなんて、高校生にもなって本当にみっともない。
そもそも、私はそんな下品な話題で盛り上がるような感覚がイマイチ分からなかった。ましてや前の席の女子達2人は、男子にもその話を躊躇なく話している様子だった。そんな彼女達を見て、私は驚くを通り越して呆れていた。
もちろん会話に入ろうとするなんてもってのほかだ。私は他人のふりをして板書に集中していた。しかし突然隣の男子生徒が、私の肩を叩いてきたのだった。
男子「なぁ前田!! お前も漏れそうな時くらいあるだろ?笑」
彼はなんてデリカシーのない人なんだろう?私は無視をしてやり過ごそうと考えたが、変な空気になると思うとそれも出来なかった。しかし尿意で漏れそうになった事などないし、仮にそんな話があったとしても男子にそれを話せる訳がない。
恵「あたしはあんまりトイレに行かないから・・・」
こう答えるのがやっとだった。実際これは事実だし、話に溶け込む訳でもなく、かと言って否定するような回答ではないので、これは私なりの最善の回答だった。
男子「なんで人よりトイレに行くことが少ないの?そもそも比べたことあんの?笑」
恵「分からない。でも人よりはトイレが遠いって自覚はある・・・」
彼らはそんな私の様子を見て話題に乗り気じゃないと感付いたのか、そこから私に話を振ることはなくなった。この返事は上手くいったのかと疑問だった。このことがきっかけで今後、私は嫌われないだろうか?
しかしそんな会話をしたことも忘れた数ヶ月後、私にある事件が起きてしまうのだった・・・。
どうしようもない尿意
受験も近づいてきた11月下旬。季節もかなり冷えてきた頃だった。私の高校の日程は6限目が終わった後に掃除時間があり、その後のホームルームを終えて帰宅する流れだったのだが、今日はどうしてか6限目開始の時点で尿意がかなり辛くなってきていた。
学校で尿意を催したとしてもいつもなら昼休み後だが、今日は3限目の時点でうっすらと尿意を催していた。考えてもみれば朝食の時にいつもよりコップ1杯分だけお茶を多く飲んでしまったことや、急に寒くなって体が冷えてしまった事、寒がりな上に今日はタイツを忘れて生足だ。限界になる原因は探せばいくらでもあった。
恵(まだ掃除とホームルームもあるし・・・)
私は早く放課後にならないかとずっと考えていた。もちろんこんな経験は初めてだ。数学の授業の内容がまるで頭に入らない・・・。
恵(授業を終えて、掃除を終えて、ホームルームを終えて、バスに乗って家まで・・・短く見積もってもまだ2時間はある・・・)
バスの時刻表は頭の中に入っていた。放課後すぐに学校を出れば、1本目のバスにはよっぽどの事がなければ間に合うはずだ。
先生「ではこの問題を・・・今日は4月10日だから4+10で・・・出席番号14番の前田!! 黒板に答えを書いてごらん!!」
恵「あっっ・・・・はいっ!!」
ガタンっ!! と音を立てて私は席を立った。予想もしていなかった指名には驚いたが、このくらいの問題なら難なく解ける。しかし、問題とはまた別の問題が、私を襲うのだった。
恵「うっっっ・・・」
立ち上がった時、私の下腹部に重い尿意が伝わった。予想以上に限界のようだった。もしかしたら放課後は愚か、6限目の授業すら終わるまで我慢出来ないかもしれない。
先生「前田?大丈夫か?」
異変を察知したのか、数学の男性教諭は私に心配そうにそう問いかけた。
恵「だ、大丈夫です・・・」
はじめは多少前屈みで歩いていたが、クラスメイトに尿意を悟られないよう、そこからは必死に姿勢を正して黒板まで歩いた。よりにもよって席は一番後ろだった。黒板までも遠く感じる・・・。
先生「正解だ。さすがです拍手!!」
パチパチパチパチ
クラスメイトの拍手を浴びながら席についた。座ろうとすると一瞬だけ、下腹部が無重力になるような、そんな気がした。しかしその直後にその反動か、今度は下腹部の重みをずっしりと感じる・・・。
恵「あたしはあんまりトイレに行かないから・・・」
ここで私はふと。数ヶ月前のクラスメイトとの会話を思い出した。何故思い出したのかは分からない。
あの時は何気なく放った言葉だった。もちろんそれは普段なら事実だ。しかし今はそのトイレにどうしても行きたい気持ちでいっぱいだった。尿意で漏れそうになったことなどなかった私が今、事実として漏れそうになっている・・・。
恵(もうとても・・・家までは我慢出来ない・・・)
バレないように机やスカートで隠しながら、私は人生で初めて股間を押さえた。そしてこの時に初めて、やむを得ず校内のトイレを使用する事を決心したのだった・・・。
誰にもバレない場所
女子A「ねぇ?恵を見なかった?」
女子B「さぁ・・・なんで?」
女子A「教室掃除の担当なのに恵がいないんだよねー。珍しくない?」
女子B「へぇーーー、それは確かに珍しいねーー」
そんな2階廊下での会話が耳に入った私は、1階の外でお腹をさすりながら考えていた。前提として、もう尿意は我慢出来ない。ホームルームすら乗り切れる自信はない。
恵(どこのトイレに行けば・・・)
問題はこの掃除時間に、いかに他者にバレずにトイレで用を足すのかだった。他人に見られるのは、それが仮に女子生徒だったとしてもどうしても恥ずかしい。男子なんかもってのほかだ。
恵(そもそもトイレの場所なんて完璧には分からないし・・・)
私はそもそも、校内のどこにトイレがあるのかを細かく覚えていなかった。普段から学校のトイレを使用しない事が仇となっている。
廊下のトイレは中も周辺も生徒でいっぱいだ。では4階にある理科室前のトイレはどうか?しかしそれはそれで理科室の清掃をしている生徒がいるだろう・・・。
恵「ハッッッ!!」
その瞬間、私は閃いた。
恵(体育館だ!! 掃除時間の体育館なら人も少ないはず!!)
そう思う頃には既に、私の足は体育館に向かって歩き出していた。もう一刻も早く、この苦しい尿意から解放されたい。そんな気持ちだった・・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
恵(誰も・・・いないよね?)
私は体育館の入り口で足を止めた。人の気配はあるようにも感じるし、ないような雰囲気でもあった。
恵(とにかくすぐに終わらせれば・・・!!)
靴を脱ぎ、私はトイレのある方向へと歩き出した。廊下の奥にトイレがあるのだが、その手前には半開きになっている更衣室があった。そしてそこに人影が映る・・・恐らく体育委員の一人が更衣室の掃除でもしているのだろう。私はトイレに人がいないことを祈って、恐る恐る女子トイレに入った。
恵(良かったいない!!・・・うっ・・・)
安心するとすぐに強い尿意が襲ってきた。トイレが出来ると少しでも考えた私の膀胱は蓄えていたのもを押し出そうと暴走をしはじめる・・・。
あの時、今思えばトイレに入る直前に、何者かが私の後をつけて来ている気がした。普段なら警戒して再度辺りを見渡すが、その時にはもうそんな事はどうでも良かった。
視界に洋式便器が映る。それは私が初めて目にする学校内の便器だった。
ガチャン!!
私は個室の鍵をかけた。スカートを上げて、あとはパンツを下ろすだけ。
スゥー・・・・・・
静かな体育館のトイレに、私の肌とパンツの擦れる音が響き渡った。そして・・・
ッッッシャーーーーッッ!!
朝から溜めていたおしっこを、私は生まれて初めて学校内のトイレで出してしまっていた。そんな自分が少し情けないと思いながらも、それを忘れさせるくらい圧倒的な気持ち良さを感じていた。それはまるで、天にも昇るような気分だった・・・。
ッッッシャーーーーッッ!!
その勢いは衰え知らずだった。一体どのくらい出たのだろう?そして私はここで我に返った。もしかすると私のトイレの後を付けている生徒がいるかもしれない。このトイレの音を誰かが聞いているかもしれない。更衣室の中にいた生徒、その生徒が私のトイレの後をつけているとしたら・・・
ポタポタポタ・・・
そう考えていた頃、私のおしっこはようやく止まった。
ガラガラガラガラ〜〜〜〜
トイレットペーパーを巻き取り、私はいつものように股間を拭いた。そして立ち上がり、パンツを穿いて、最後にスカートを下げる。
ジャーーーーーーッッ!!
トイレの流れる音が大きくて驚いた。しかし驚いたのはそれだけではなかった。トイレの流す音に紛れて誰かの足音が聞こえた気がする・・・さすがにそれは考え過ぎだろうか?
恵(更衣室で掃除をしていた人?私にバレないようにおしっこの音を聞いたとか・・・?)
トイレを出た私は念の為と思い、周囲を見渡しながら廊下を歩いた。更衣室にはトイレに入る前と同じように、扉を半開きにして掃除をしているような人影が見える。
よく考えるとこの状態でも私のおしっこの音が聞こえてきたかもしれない。だとしたら顔から火が出そうなほど恥ずかしい・・・。
恵(やっぱり・・・考え過ぎよね・・・?)
苦しい尿意から解放された私はもちろんスッキリしていたが、気持ちの面ではどうにもスッキリしないような、そんな気持ちだった。もう一度廊下や辺りを見渡しながら、私は靴を履く。
恵「まぁ・・・いっか!!」
そんな事を言いながら、私は任されている教室の掃除へと向かうのだった・・・。

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