※この物語はフィクションです。登場する人物、団体、名称は全て架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
このページは長編小説『FF外から失礼しますっ!!』の第11話です。第1話から読みたい方はこちらからどうぞ→第1話 駆け込んできた美少女
前回の話はこちら→第10話 おしっこの悩み ~美波の場合~
登場人物紹介
主人公と主要人物
渡部 翔士 (わたなべ しょうじ) |
アイドルグループ「Family First Same(ファミリーファーストセイム)」の楽曲提供をしている本作の主人公。活動名とクレジットは「東海林 翔士(しょうじ しょうじ)」。中学時代におしっこの性癖に目覚めてしまった思春期真っ只中の男子高校生。身長はまだまだ伸びて、175cmほどになった。 |
セイメイ | 「ネーミングプロダクション」という芸能事務所の代表取締役兼社長。アイドルグループ「Family First Same」をプロデュースしている50代のオッサン。売れるためのマーケティング戦略はかなりの腕だが、歯は真っ黄色で汚く、おまけに頭もハゲ散らかっている。 |
ミドル | 事務所の管理をしているセイメイの妻。基本口数は少ないが、思っていることはハッキリ言うタイプの50代女性。年齢の割には美人だが、怒らせたらこれはこれはとんでもない。 |
佐々木 寧々 (ささき ねね) |
Family First Sameのマネージャー。5人の管理に少々手を焼き気味。親しみやすい性格で、メンバー5人からは寧々ちゃんと呼ばれている女性。 |
ネーミングプロダクションのセイメイがプロデュースする5人組女性アイドルグループFamily First Same(ファミリーファーストセイム)。略して“ファミファ”。さらにファミファを略して“FF”とも言う。
メンバー
名前 | 好きな食べ物 | 嫌いな食べ物 | 最近の悩み |
和泉 依澄 (いずみ いずみ) |
お寿司 | 乳製品全般 | 母親が自慢の娘とうるさ過ぎる |
佐倉 桜 (さくら さくら) |
ラーメン | 魚介類全般 | 「笑ってみて」と、色んな人からいじられまくる |
安芸 亜希 (あき あき) |
メロンパン カレーライス |
野菜全般 | 肩こりがひどい |
南 美波 (みなみ みなみ) |
塩辛 | 甘いもの全般 | ファンに愛称を”みなっち”として覚えられている(公式の愛称は”なみっち”) |
里見 郷美 (さとみ さとみ) |
スナック菓子 サプリメント 完全食 |
食べ物全般 | 自分のグッズだけ全然売れない |
あらすじ
はじめての全国放送に登場したFamily First Sameは、生放送の本番中になんとメンバーのお漏らしというとんでもない放送事故をしてしまった。その話題は一気に全国に広まり、数日後に発売したシングルはなんとトリコンで1位を獲得するなど、人気は急上昇したのだった。
しかしその反面、漏らしてしまったメンバーである亜希の母親はこの件に大激怒。グループの脱退や、事務所を退所する意向を示し、もはや最悪のシナリオに歯止めが効かない状況だった。
そんな中、事務所内のセイメイの机にて作業をしていた翔士は、メンバーの放尿動画がパソコン内で保存されている事、セイメイがメンバーのトイレ盗撮をしている事に気が付いてしまう。あまりの衝撃的な動画に翔士は言葉も失い、ただ顔を手で隠すことしか出来ないのであった・・・。
第1章 郷美はインフル
翔士「なんで俺が行かなきゃならないんですか!!」
ミドル「だから寧々ちゃんは今、メンバーの4人に付きっきりなんだから仕方ないのよ。翔士くんは今、手が空いてるんでしょ?」
翔士「クッソーーー。あのクソマネージャーめ!! ちゃんと俺に臨時のマネージャーとしてのギャラは出るんですよね?」
ミドル「いつも出してる報酬にプラスしておくわ。約束する。だから郷美ちゃんのとこに行ってちょうだい。私も手が離せないの!!」
そう言いながら、翔士はミドルからスマホを見せられた。そこには郷美がミドルに対して、メッセージを送っている画面だった。
郷美「インフルになっちゃいました!! テヘ♡」
このメッセージを見て、翔士は「はぁーーー」と、溜め息を吐いた。
翔士「郷美さんも郷美さんですよ。インフルになっておきながら、なんでこんなに明るいんですか」
ミドル「郷美ちゃんも一人暮らしだからインフルはきっと辛いはずよ。この差し入れを持って、郷美ちゃんの家に行ってちょうだい。住所は翔士くんのスマホに送っておくから」
翔士「へいへい・・・」
ミドル「それと、北千住から表参道へは地下鉄の千代田線で1本で行けるわ。行き方は分かるかしら?」
翔士「最近はやっと東京の電車もまともに乗れるようになりましたよ。でも念の為、行き方送っといてください」
ミドル「分かったわ。ごめんだけど、お願いね翔士くん!!」
翔士「へいへい・・・」
ミドル「あっ!! あと!!」
ミドルは後ろを向いた翔士を呼び止めた。翔士はまたミドルの方を振り返る。
ミドル「念の為、これも持っていって!!」
そう言って渡されたのは、なんと知らない1枚のカードだった。
翔士「なんですか?これ?」
ミドル「郷美ちゃんの家の鍵。大事なものだから絶対に失くさないで!!」
翔士「なんでそんなの持ってるんですか!!」
ミドル「あの子が1番の問題児だからよ・・・」
翔士「・・・妙に納得しました」
翔士はそう言ってスマホとカードキーをポケットに入れ、差し入れを片手に持って、事務所を出たのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翔士「地図的にこの辺りか・・・」
表参道駅を出て、翔士はスマホを見ながら南青山周辺を歩いていた。
翔士「待って。住所45階?郷美さんタワマンに住んでるのかよ・・・」
部屋番号が4504だった郷美の住所を見て、翔士は驚いた。そして見えてきた建物は、やはり高くそびえ立つタワーマンションだったのだ。
翔士「郷美さん、前から薄々思ってたけど・・・何者?」
そう言って翔士は、マンションの入り口に入った。
ピンポーン!!
マンションのインターホンを押した。しかし暫くしても反応は無かった。
翔士「しょうがないな・・・」
翔士はポケットからカードキーを取り出し、差し込み口にカードを挿れると、入り口の扉は開いた。
コンシェルジュ「いらっしゃいませ!! お客様はどちらの部屋にご用でしょうか?」
翔士「えっ?はっ・・・だ、誰ですか?」
マンションに常駐しているコンシェルジュを知らない翔士は、状況を飲み込めないでいた。
コンシェルジュ「鍵お持ちでしたよね?何号室でしょうか?」
翔士「よ・・・4504号室です」
コンシェルジュ「4504号室ですね!! 念の為こちらからお電話をさせていただきます!!」
コンシェルジュは受話器を取り、郷美の部屋に電話をしていた。
コンシェルジュ「はい・・・はい・・・かしこまりました!!」
コンシェルジュは受話器を置き、笑顔で翔士にこう言った。
コンシェルジュ「渡部様がどうぞ部屋に来て下さいと仰っています。奥の右のエレベーターをご利用ください。45階まで行けますので!!」
翔士「へっ?なんで俺の名前・・・」
コンシェルジュ「・・・はい?」
翔士「あーーー郷美さんも渡部かそういえば!! すいませんなんでもないです!! ありがとうございます!!」
少し駆け足で、翔士はエレベーターに乗り込んだ。
翔士「45階、南青山のタワマン最上階。しかも1階になんか従業員いるし・・・郷美さんどんだけ金持ちなの・・・?」
そんなことを言っていると、エレベーターはあっという間に45階へと着いた。
チーーーーーン!!
エレベーターが開くと、窓からの景色が翔士の目にすぐ入った。
翔士「す・・・すげー景色。大都会東京・・・」
数秒間窓からの景色を見た後、我に返った翔士は4504号室を探し始めたのだった。するとすぐに部屋は見つかった。4504号室と書かれた玄関の下に「WATANABE」と書かれている表札が目に入った。
ピンポーン!!
インターホンを鳴らして待ってみた。しかしどんなに待っても反応がなかったのだ。
翔士「クッソー。1階のお姉さんの電話は取るくせに、俺のインターホンは無視かよ・・・」
我慢出来なくなった翔士は玄関に手をかけた。するとなんと、玄関は開いていたのだった。
翔士「おいおいおい、無用心だな・・・」
そう言って玄関の先を見つめる・・・僅かに郷美の声が聞こえる気がしていた。
翔士「郷美さーん!! インフルみたいなので、事務所から差し入れがあります!! 俺が届けに来ましたー!!」
大きな声で叫んでみても、反応はなかった。
翔士「おいおい、大分体調悪いのかよ・・・」
そう言って翔士は、恐る恐る部屋に入っていった。人気はなかったように思えたが、奥の部屋から声が聞こえてくる。
翔士「郷美さんの声だ。あれ?元気なんじゃないか?」
奥へと進めば進むほど、郷美の声はハッキリと聞こえてきた。
郷美「死ねっ!! 死ねっっっ!! クソーーーー!!」
翔士はその場で凍り付いた。彼女は一体何を言っているのだろう?勇気を出して郷美の声がする部屋を開けた、その瞬間だった。
郷美「クッソーーーー!! また負けた!! でもマジ楽しい!! 最高!! 最高裁判所っ!! いぇあ!!」
翔士「郷美さん!! 体調悪いんじゃ・・・」
郷美はヘッドホンをしていて、ゲームに夢中だった。気配に気づいた彼女はすぐにゲームを一時停止し、後ろを振り返ったのだった。
郷美「おう翔士くーーん!! ねぇ聞いてよ!! アタイ昨日MeTube始めたら、たった一晩でチャンネル登録者5万人突破したんだー!! マジすげーーー!! やっぱ有名人だねアタイも!! ゲーム生配信も盛り上がるぅーーーー!!」
翔士は拳をギュッと握り締め、震えながら郷美にこう叫んだ。
翔士「インフルってインフルエンザじゃなくて・・・インフルエンサーじゃねーーーかーーーー!!」
翔士は思いっきり郷美を怒鳴りつけたのだった・・・。
第2章 おしっこの悩み ~桜の場合~
受付「鈴木さーん!! 鈴木桜さーん!!」
桜「あ・・・はい」
ある日の週末、桜はとある病院に足を運んでいた。比較的小さめの、泌尿器科の病院だった。
医者「なるほど・・・急に尿意が強くなるということですか・・・」
桜「はい。その、一応アタシなりに調べたら「過活動膀胱」というのが出たんですが、アタシの場合はそうじゃなくて・・・なんというか、その・・・///」
医者「はい?」
桜「尿意の強さに比例して、出した時は尿量も多いと思うんです/// その・・・別にアタシの膀胱に異常自体はないのだと思ってまして・・・」
医者「というと?」
桜「特定の場所にいる時だけ尿意が強くなるというより、特定の場所にいる時だけ、尿が・・・///おしっこが膀胱に溜まるスピードが速くなる気がするんです。というかそうとしか考えられなくて、こればっかりは調べても分からなかったので、相談に来た次第です」
医者「なるほど、特定の場所だと尿意を催すというのはよくある事です。尿意は結構、心理的なものと密接することが多いんですよ。しかし、膀胱に溜まるスピードですか?」
桜「はい。尿って腎臓から尿管を通って膀胱に溜まるじゃないですか?その溜まるスピードが特定の場所だけ速くなるというのは、あり得る話なのでしょうか?」
医者「うーーーん。それだけ聞くとあまり納得できない話ですが、例えばその場所だけ無意識に体を冷やしてしまうとか、水分をやたら摂ってしまうなど、目立たないだけで他の理由があるという事なら、私も納得できるのですが・・・」
桜「明らかにおかしいんです。アタシ、とある小さな事務所のアイドルとして活動しているのですが、いつもその事務所にいる時やライブをしている時に、我慢出来なくなるほどの強い尿意を催すんです。一応頑張って我慢はしますが・・・///その後は毎回物凄い量が・・・出るんです///」
医者「つまり溜めれはするから、膀胱に異常はないと?」
桜「はい。大丈夫だと思います。その我慢出来ない程の尿意の時は、おへそのすぐ下あたりが前に突き出すようにお腹が出るんです。それが、恐らく膨らんだ膀胱だと思うんです///」
医者「なるほど・・・」
桜「膀胱炎についても調べました。長時間の我慢じゃなければ、膀胱炎のリスクが低いことも知っています。でも、長時間尿意を我慢する訳じゃないにしても、日常的にお腹が出るほど膀胱を膨らませても大丈夫なのでしょうか?アタシの膀胱は無理をしていませんか?それがとても気がかりなんです」
医者「分かりました。とりあえず鈴木さんの膀胱を、ちょっと調べてみましょう」
診察後、桜は検査の為、検査室へと足を運んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
医者「では先ほども言ったように、鈴木さんの膀胱内圧測定をします。説明は先ほども言ったようにカテーテルを尿道と肛門に入れ、膀胱に生理食塩水を流し込みます。初発尿意や最大尿意、膀胱の収縮力などを調べる為です。よろしいですね?」
検査室は桜と男性の医者2人だけだった。検査室のベッドを前にし、桜はとても恥ずかしそうだった。
桜「あ・・・あの・・・」
医者「どうされました?」
桜「あの・・・女性のお医者様に診てもらう事は出来ないのでしょうか?///」
医者「申し訳ないですが、この病院で診れるのは男性である私しかいません。いつも男女関係なく診ているので、何も思う事はありませんよ。私も仕事でやってますから」
桜「そうかもしれませんが、アタシはどうしても恥ずかしくて・・・///」
医者「診察をやめますか?もちろん強制はしませんが、一応念の為検査した方がよろしいかと思うのですが・・・」
桜「・・・・・・分かりました。お願いします///」
桜はそう言って、下着を脱ぎ始めた。
医者「先ほど、トイレで排尿を済ませておいてと言いましたが、済ませましたか?」
桜「はい」
医者「では大丈夫です。まずは尿道にカテーテルを留置するので、少し痛いかもしれませんが、我慢してください」
すると医者は、桜の性器を指で広げて、尿道を探し始めたのだった。
医者「えーーーーっと・・・尿道はどこでしょうーー?」
桜「・・・・・・////////////」
桜の額には変な汗が滲み出ていた。あまりに恥ずかしい気持ちだった。
医者「はい。尿道を見つけました。消毒してからカテーテルを挿れますので、ちょっと痛いかもしれませんよー!!」
桜「は・・・はいっっ!!//////」
医者「ではもう一つ、筋電図を取るために次は肛門にカテーテルを入れます。これもちょっと痛いかもしれません!!」
桜「んあっっ!!」
予想以上に大きな声を出す桜に、医者は少しビックリしたのだった。
医者「・・・入りましたよ?大丈夫ですか?」
桜「す・・・すいません大丈夫です・・・///」
医者「はい。それでは生理食塩水を少しずつ注入していきます。腹圧によって検査結果が大幅に変わる場合があるので、動いたり咳などはなるべく避けてください!!」
桜「はい・・・///」
こうして桜の膀胱内圧測定は始まった。
医者「尿意の方はどうですか?」
桜「まだ、特に何もないです」
医者「分かりました。では、もう少し入れてみますねー」
生理食塩水が徐々に桜の膀胱を満たしていった。そしてそれがしばらく続いた時だった。
桜「あ・・・あの!!」
医者「はい?」
桜「にょ・・・尿意が・・・」
医者「ようやく尿意を感じたんですね。ちょっと遅めですね。記録しておきます」
桜「・・・・・・。」
医者「では次に、その尿意が我慢できないと感じるまで、膀胱に生理食塩水を注入していきます」
桜「は・・・はいっ・・・」
桜の膀胱はさらに膨らんでいった。仰向けになっている桜の下腹部が、少しだけ隆起しているようにも見える。
医者「尿意のほどは?もうかなり注入しましたが?」
桜「あの・・・そうですね。尿意はかなり強いですが、まだ我慢出来ない程ではないです」
医者「なるほど凄いですね・・・では、もう少し入れてみますね」
彼女の膀胱はさらに膨らんでいった。仰向けになっている桜のペタンコなお腹は、おへその下あたりから急に丸く膨らんでいた。
桜「あ、ああっ!! す・・・すいません!! もう無理です!! 我慢出来ません!!」
医者「分かりました。これが鈴木さんの最大尿意量ですねー記録しておきます」
桜「あの・・・早くして頂いてもいいですか?」
医者「はい。ちょっと待っててくださいねーーー」
通常通り記録していた医者の手際が、この時ばかりは遅く見えた桜。多少苛立ちを覚えながらも、強烈な尿意に足を頻繁に動かしながら、桜はただただ尿意から解放される時を待っていたのだった・・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
医者「お疲れ様でした。検査の結果が出ましたので・・・」
診察室に戻った桜は、膀胱内圧測定の結果が記された紙を受け取った。
医者「結果的に言うと、膀胱に全く問題はありませんでした。むしろとても健康的です。初発尿意が350ml、最大尿意が1100mlだったので、いずれも平均以上です。特に最大尿意が1000mlを超えるのは凄いです。かなり膀胱は大きいと思います。また、排尿後の残尿も平均以下です。しっかり溜めてしっかり出すという膀胱の基本的な機能が優れています」
桜「はい・・・ありがとうございます・・・」
医者「1100mlという最大尿意量は初めてみました。普通は600mlくらいが平均なんですよ。鈴木さんはその倍近く溜めれます」
桜「膀胱容量が多いことは分かりました。あの、1リットル前後溜めている状態は、膀胱に悪いですよね?いくらすぐに排尿するからと言っても、我慢自体が体に良いわけないですし」
医者「そうですね。あまり膀胱を膨らませた状態で放置するのは良くないです。最悪尿閉になる可能性もあります。尿意を催したら、すぐにトイレに行って排尿を済ませるのがベターです。しかし一時的であれば、尿意を我慢してもそこまで大きな問題とはなりません。長時間でなければ多少の我慢は大丈夫です」
桜「はい・・・分かりました」
医者「また、いまさら答えるのも変ですが、診察で言っていた「いる場所によって尿の生成スピードが変わる」というのはやっぱり少し考えにくいです。私個人の意見としては、やはりそこにいる時だけ無意識に水分を多く摂ったり、利尿効果のあるカリウムを含む食べ物を摂ったりしているんじゃないかと思います」
桜「やはりそうですか。分かりました!!」
医者「お大事にしてください。鈴木さんはとても健康的な膀胱でしたから、安心してくださいね!!」
桜「はい。今日はありがとうございました」
桜はその後、診察や検査の費用を払い、病院を後にしたのだった・・・。
第3章 アレンジの原因は膀胱
美波「新作の衣装の試作品、出来た?」
桜「うん。昨日の夜に、なんとか1着だけ完成したわ」
数時間後。病院から帰った桜は、事務所のレッスン室で美波と新作の衣装について話し合う予定が入っていた。
美波「桜?なんか様子がおかしいけど?」
桜「あっいや・・・なんでもないわ。特に何も・・・」
美波「さっきまでどこ行ってたの?」
桜「ちょっと、病院に・・・」
美波「えっなんで!! どこか悪いの?」
桜「違うわよ!! 検査結果は特に異常はなかったから大丈夫よ!!」
美波「検査?どこの?」
桜「どこだっていいでしょそんなこと!!///」
美波「なんか凄く恥ずかしそう・・・というか、何かを失ったみたいな表情だけど・・・」
桜「アンタいつもフワフワ系天然みたいな感じなのに、なんでこういう時だけ勘が鋭いのよ・・・」
美波「恥ずかしいとこ診られた?胸とか?」
桜「恥ずかしいわよ!! 人生で1番恥ずかしかったわ!!・・・もう、何もかも見られた。胸以外は全部見られたわ。細かいところまで・・・全部よ///」
美波「そうだよね!! 桜は貧乳なんだから、胸は見られても大丈夫だよね!!」
桜「アンタ、ブン殴るわよ・・・」
美波「ところで質問なんだけどさ、桜。なんで桜の衣装って下のお腹の方だけちょっと緩くしているの?私そんなデザイン指定してないんだけど」
美波は前回のライブの時の衣装を持って、桜に疑問を投げつけた。
桜「だからなんで今日はやたら細かいところに気付くのよ。裁縫はアタシが担当しているんだから好きにしていいでしょ!!」
美波「違うんだってば!! 私にもしてほしい!! いつもライブの時お腹が張ってツラいの。膀胱の辺りがもうパンパンで・・・」
桜「美波もなの?アタシもいつも尿意が限界の時、お腹が妊婦みたいになるからそれを考慮して・・・下腹部周りは少しゆとりのあるデザインにアレンジしているだけよ」
美波「桜もお腹張るの?」
桜「えぇ。それはもう、物凄いわ。今日病院に行ったのも、それ関連よ」
美波「ふーーーーん」
自分で質問しておきながら、美波は興味なさそうに返事をした。
美波「ところで、新しい衣装は持ってきた?」
桜「うん。これなんだけど・・・ちゃんと美波が描いたデザインのイメージに合っているかしら?」
桜は私物の大きめのキャリーケースから、ハンガーごと新作の衣装を取り出した。
桜「これはオレンジの線が入っているから亜希のだわ。作ったのは亜希の分1着だけ。アンタからOK貰ったら、残りの4着も急いで作るから」
美波は新作の衣装を手に取った。袖の部分やスカートの細かい部分を細かくチェックしている。
美波「・・・うん!! さすが桜!! ちゃんと出来てるよ!! これをさらに4着作るって大変そうだけど、どのくらいかかる?」
桜「そうね。今月末でも少し厳しいかもしれないけど、なるべく頑張るわ」
すると美波は突然、肩を落とした。そして少し震えている。
桜「・・・美波?どうしたのいきなり・・・」
美波「その頃には・・・5人の衣装が出来る頃には、この亜希の衣装を、亜希は着てくれるのかな?」
桜「美波・・・」
桜は涙目になっていた美波の頭を、優しく撫でた。
桜「当たり前じゃない!! 何がなんでも亜希は脱退させないわ!! だって亜希本人が、あの子が1番脱退したくないと言っているんだもの!!」
美波「桜。私、リーダーとして何が出来るんだろう?私、何もしてないよ・・・亜希に何もしてあげられてない!!」
桜「美波・・・」
美波「1番年下なのよ亜希は!! 年上の私たちがあの子を面倒を見てあげられなくてどうするの!!」
桜「落ち着いて美波。5人でしっかり話し合おう。でも正直、亜希のお母さんとのトラブルは亜希次第なところも大きいわ」
美波「明日出来るかな?・・・すぐにでも集まりたい!!」
桜「通話でもいいから5人で話し合えればいいわね。ちょっとごめん美波。アタシ、トイレ行ってくるわ」
そう言って桜はレッスン室を出た。膀胱内圧測定の後、尿路感染症を避けるために排尿を促すよう医者に言われていた彼女は、水分を多く摂っていた影響で、先ほどから尿意を催していたのだった。
桜(はぁーー。たくさんお水を飲んだからトイレが近いわ。でもあの検査の時ほどじゃない。初発尿意が350mlって言っていたから、今アタシの膀胱にはそれ以上の尿が溜まっているということなのかしら・・・?とにかくトイレがしたいわ・・・)
今まで意識していなった自分の蓄尿量と尿意の関係。数時間前に数字で確認できた自身の膀胱容量を、少しだけ意識している桜がいた。
桜「いつも思うけど、なんで事務所のトイレってこんなに分かりにくいのかしら・・・」
そんなことを言いながら桜は、事務所4階にあるエレベーターから見て右側のトイレをノックして入った。
「シューーーーーーーッッ!!」
キレイな音を立てて、桜は和式トイレにおしっこを叩きつけていた。その時だった。
桜「何かしら・・・これ」
桜はふとトイレの隅にある観葉植物に目をやった。よく見ると、葉っぱの奥に小さな黒い点がある。その黒い点を彼女は指で撫でた。
桜(ゴミかしら?でも何か違うような・・・)
「シューーーーーー!!」とおしっこを出しながら、桜はあることに気づいてしまったのだった。そしてその瞬間、彼女はおしっこを途中で無理やり止め、トイレットペーパーで拭きもしないまま、パンツを急いで穿いた。パンツのクロッチ部分におしっこがジュワッと染み付く・・・。
桜「信じられない・・・カメラ・・・盗撮じゃないの!!」
第4章 亜希より先の脱退者
郷美「そうだよ。私、本名は渡部好華って言うの。今更気づいたの?」
翔士「なんだよそれ・・・なら本当に俺の姉の幼なじみなんですか・・・」
ゲーム生配信を中断した郷美は、急に訪れた翔士とお喋りをしていた。
郷美「そうだよ!! 才加ちゃんは元気にしてる?」
翔士「元気過ぎるくらいですよ・・・。なんでこんな偶然、郷美さんはもっと驚かないんですか?というか俺の事覚えてます?幼い頃、才加と3人で遊んだはずなんですが・・・」
郷美「もちろん覚えているよ。だから事務所で初めて翔士くんが挨拶した時、あの時のおサムライさんごっこしたじゃん!!」
翔士「は・・・はぁーー?」
郷美「覚えてないの?翔士くんあの時4歳くらいだっけ?さすがに忘れちゃったかーー!! あの遊び、翔士くんお気に入りだったのになぁーー」
翔士「だからあの時、郷美さん自分の事を拙者とか意味の分からない事言ってたんですか?」
郷美「そうそう!! 思い出してくれるかなーと思って!!」
翔士「分かるわけないだろ!!」
タララランッッ!!
そんな時、ふと翔士のスマホが鳴り出した。
翔士「あっすいません!! 電話です!!」
郷美「誰?事務所関係者?」
翔士はすぐにスマホを見た。画面には「セイメイ」と表示されていた。
翔士「オッサンです。久しぶりに電話が来ました」
タララランッッ!!
鳴り続ける翔士のスマホ。郷美はすぐにこう答えた。
郷美「取っていいよ電話くらい。社長なら急用っぽいし」
翔士「すいません!!」
そう言って翔士はすぐに通話を開始した。なんとなくではあったが、翔士は郷美を気遣うつもりで通話をスピーカーモードに切り替えた。
セイメイ「お疲れ様だよ渡部くん。今、時間大丈夫かい?」
翔士「大丈夫です。なんですか?急用ですか?」
セイメイ「あぁ。急用さ。それも今までにないくらい緊急性のある内容だ」
翔士「そんなにですか?なんですか?」
セイメイ「そうだねーー。君は随分とやらかしてくれたねー」
翔士「はい?」
セイメイ「君、私がメンバーのトイレを盗撮していると、ミドルにチクっただろう?」
その瞬間、翔士は全身に鳥肌が立った。
セイメイ「完全に大事になってしまっているよ。だから私はミドルにこう言ったんだ」
翔士「はい?」
セイメイ「私も盗撮に関わっていたのは事実だが、主犯は渡部翔士だと嘘をついておいた」
翔士「は・・・はぁ?」
郷美は不思議そうな表情で翔士を見ていた。そして彼女も、何が何だか理解できていない様子だった。
セイメイ「認めよう。私がトイレ盗撮をしていたのは紛れもない事実だ。しかしその罪は、悪いが君にも請け負ってもらうよ」
翔士「な・・・何を言っているのか・・・」
セイメイ「そして私の事務所であるネーミングプロダクションは、今日付けで君との契約を解除することにした。長い間、世話になったな」
翔士「ちょっと待って下さい!! 俺は何もしてません!! 意味が分かんないですっ!!」
パニックになる翔士に対して、セイメイは落ち着いた口調で話すのだった。
セイメイ「さようならだ。渡部翔士くん・・・」
〜つづく〜
次の話はこちら→~第12話 みんなのおしっこリスト
前回の話はこちら→第10話 おしっこの悩み ~美波の場合~
オススメ
膀胱系のお話が好きな方にはおすすめの小説。初発尿意から5倍のおしっこを抱える彼女は、彼にとっての最高のクリスマスプレゼントでした。
クォーター美女に酒飲ませておしっこ我慢させた話 Part2~車内監禁編~
僕の実体験の中で、1、2を争うほど興奮したお話です。限界放尿や膀胱の膨らみが好きな方にオススメです!!
コメント