※この物語はフィクションです。登場する人物、団体、名称は全て架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
このページは長編小説『FF外から失礼しますっ!!』の第10話です。第1話から読みたい方はこちらからどうぞ→第1話 駆け込んできた美少女
前回の話はこちら→第9話 おしっこの悩み ~亜希の場合~
登場人物紹介
主人公と主要人物
名前 | |
渡部 翔士 (わたなべ しょうじ) |
アイドルグループ「Family First Same(ファミリーファーストセイム)」の楽曲提供をしている本作の主人公。活動名とクレジットは「東海林 翔士(しょうじ しょうじ)」。中学時代におしっこの性癖に目覚めてしまった思春期真っ只中の男子高校生。身長はまだまだ伸びて、175cmほどになった。 |
セイメイ | 「ネーミングプロダクション」という芸能事務所の代表取締役兼社長。アイドルグループ「Family First Same」をプロデュースしている50代のオッサン。売れるためのマーケティング戦略はかなりの腕だが、歯は真っ黄色で汚く、おまけに頭もハゲ散らかっている。 |
ミドル | 事務所の管理をしているセイメイの妻。基本口数は少ないが、思っていることはハッキリ言うタイプの50代女性。年齢の割には美人だが、怒らせたらこれはこれはとんでもない。 |
佐々木 寧々 (ささき ねね) |
Family First Sameのマネージャー。5人の管理に少々手を焼き気味。親しみやすい性格で、メンバー5人からは寧々ちゃんと呼ばれている女性。 |
ネーミングプロダクションのセイメイがプロデュースする5人組女性アイドルグループFamily First Same(ファミリーファーストセイム)。略して“ファミファ”。さらにファミファを略して“FF”とも言う。
メンバー
名前 | 出身地 | 本名 | 血液型 |
和泉 依澄 (いずみ いずみ) |
大阪府和泉市 生まれ 神奈川県横浜市泉区 在住 |
萬谷 泉 (よろずや いずみ) |
A型 |
佐倉 桜 (さくら さくら) |
千葉県佐倉市 | 鈴木 桜 (すずき さくら) |
B型 |
安芸 亜希 (あき あき) |
高知県安芸市 | 本多 秋子 (ほんだ あきこ) |
A型 |
南 美波 (みなみ みなみ) |
大阪府大阪市中央区道頓堀 生まれ 愛知県名古屋市南区 育ち |
遠野 奈実 (とおの なみ) |
O型 |
里見 郷美 (さとみ さとみ) |
福島県会津若松市 生まれ 群馬県高崎市 育ち |
渡部 好華 (わたなべ このか) |
AB型 |
あらすじ
メジャーデビューから約半年が経過したアイドルグループ「Family First Same」は、なんと新曲『ご苦労Summer!!』がトリコンで初登場13位とまずまずの結果だった。そのおかげで生放送の音楽番組「ミュージックバケーション」にて、さらに新曲の『ドレミファミファ♪』を地上波で初披露することが決定する。
待ちに待った放送当日、翔士をはじめファンや関係者が見守る中、メンバーの5人はガチガチに緊張しながらも、なんとか新曲お披露目を成功させた・・・と思っていたのだが、途中でメンバーの1人である亜希が突然、生放送にも関わらず、お漏らしをしてしまうのであった・・・。
第1章 突然の訪問者
スレッド「【放送事故!!】女性アイドルさん、生放送中にガチお漏らしをしてしまう・・・。」
1「ほれ!! 動画貼ってるぞ!!」
2「ガチで草」
3「おしっこ漏らしてるのか?」
4「これは興奮するわ」
5「その前にオッパイデカ過ぎで草」
6「釣り定期」
7「マジで漏らしてる」
8「オレンジ可愛い。聖水飲みたい」
9「おっぱい揺れてるwww」
10「マジレスすると演出だろ。ションベンってこんな出方しないぞ」
11「10。お前、女のションベン知らないのか?勢いすげーんだぞ」
12「服着てこの出方だろ?脱いでたらどんな出方するんだよ・・・」
13「演出だろ」
14「興奮してきた」
15「演出だな」
16「11の言ってることは分かるけど、いくらなんでもこの出方はおかしい」
17「MeTubeで「ゾウ おしっこ」で検索してみろ。勢いが全く一緒だぞ」
18「何てグループ?名前は?」
19「「Family First Same」って名前で”ファミファ”っても言うらしい。赤色のセンターの子が可愛過ぎってことで、最近地味に知名度上げてきてる」
20「超新星アイドルって言われてるヤツだろ?ワイも知ってた。正直悔しいが、赤色はメチャメチャ可愛い。確か名前はいずみん」
21「いや待て。漏らしてるオレンジの子も可愛いじゃん!! 俺そっちの方が好きだわ」
22「青色クッソ無愛想で草」
23「青色は美人さんなんだけど、ムスッとしてるのがダメだよなー」
24「赤→天使 オレンジ→お漏らし 青→無愛想 緑→普通 黄色→ブス」
25「いや黄色別に普通じゃね?緑もクラスにいたら普通に惚れるレベルだろ」
26「これは顔面偏差値の差がエグいな。ここまで差があると黄色がちょっと不憫だわ」
27「赤色マジで可愛いな。こんな変なアイドルなんかとっとと辞めて、一人立ちしろよ」
28「昭和→アイドルはおしっこなんかしません!! 平成→アイドルだっておしっこするよねそりゃ人間だし。 令和→おしっこ生放送で漏らしてバズらせて売れるぞーーー←New!!」
29「赤色ガチ可愛い。でもオレンジも青もそれぞれ違うタイプでとてもいい」
30「漏らしてるオレンジ、顔も可愛いけどそんなことよりおっぱいデカ過ぎだろ」
31「漏らすまでは全然そんな前触れがないな」
32「オレンジのダンスが上手すぎるw」
33「動きキレッキレwおっぱいボインボインw」
34「いやダンスはみんな普通に上手いだろ」
35「オッパイマジでデカくて草」
36「赤色可愛いけど、オレンジのオッパイとお漏らしにしか目が行かんwww」
37「でも漏らしてから何回か画面が切り替わって、最終的にテロップだけの画面になったのはリアル過ぎない?」
38「これ、テレ夜が謝罪してるのニュースになってたからガチだよ」
39「でもFamily First Sameってグループは公式で否定してるぞ。演出でしたって」
40「当然だろ。漏らしましたなんて本当でも言えるわけがない」
41「ガチだとしたらオレンジが戦犯扱いか。漏らしたのに可哀想だなー」
42「本番前にトイレくらい行けよ」
43「でも赤色が可愛いはこの件で一気に広まったらしいぞ。というか、普通にオレンジもメチャメチャ可愛いしな」
44「今日のおかずこれでいいや。確かに赤色可愛いけど、顔が整い過ぎて好きじゃない。ワイはオレンジが好み過ぎる。もう勃ってる」
45「赤→可愛すぎる オレンジ→おっぱい 青→クール 緑→縁の下の力持ち感 黄色→人数合わせ」
46「人数合わせは草」
47「オレンジあどけない感じが可愛いよな。グループ最年少らしい」
48「調べたけどメンバー唯一の現役高校生らしいな。でもそんなことよりオッパイデカ過ぎ定期。何カップかこれ?」
49「ショートカットが好みのワイ。オレンジがどタイプ過ぎて死にそう。巨乳でしかもこんな可愛い子がガチお漏らしか・・・」
50「オレンジが主人公だな。赤に目線行きがちだけど、オレンジは漏らし方がヤバいし、とにかく巨乳」
51「女って日頃からこんな勢いでションベン出してるのか?」
52「50!! 逆だよ。漏らしてるからオレンジに目線行きがちだけど、可愛い過ぎる赤色がヤバい。あと、オレンジは巨乳じゃない。爆乳だ」
53「誰も触れてないけど、黄色全然可愛くないな」
54「いや普通に可愛いだろ。お前の通ってた学校のクラスの女子を思い出せ。黄色でも十分平均以上」
55「お前らなんでいつも上から目線なんだよw鏡見ろよw」
56「調べたら黄色のキャッチフレーズに爆笑したw「3年10ヶ月に3度の美女」だってよw」
57「かなりの高頻度で草」
58「いやそれでも少ないだろ。3分10秒に300度の美女が妥当」
59「もはや美女じゃなくて草」
60「全世界で生まれてくる赤ちゃんのペースより速いぞwww」
61「緑も素朴に可愛い。確かに黄色と緑はメチャメチャ美人とは言えないけど、あとの3人は間違いなく下手な地下アイドルより可愛い。特に赤色はもう別格。売れてる女優にも勝ってるレベルだろ」
62「青色はなんでこんなにムスッとしてるんだ?黒髪美人でいい感じなのに、なんか勿体無いな」
63「笑わないで有名らしいね。ワイはそれも含めて好きだけど」
64「笑わないアイドルw平成初期の2人組かよw」
65「メンバー全員名字と名前が一緒なんだろ?」
66「だからFamily First Sameなのか」
67「愛称は”ファミファ”らしいよ。言いにくいな。ファミファを略して”FF”っても言うらしい」
68「コンビニみたいな名前で草」
69「ググったら公式サイトあったから見てきたわ。グッズ販売でTシャツとかアクリルスタンドとか色々あったけど、中にメンバーのブロマイドが入ってるチキンが一番印象的だったな」
70「ファミ○キで草」
71「草」
72「思いっきりパクリで草」
73「調べたらガチで売ってたwチキンの中にブロマイド入れるなよwってかグッズに食品扱うことあんのか?ファミファのチキンって名前なんだがw」
74「運営絶対狙ってるだろ」
75「ってか普通にダンスもいいけど、そもそも曲良くね?」
76「俺は好きじゃないなー。なんか何を聴いても同じ曲にしか聞こえんのよ」
77「分かるwギラギラし過ぎなんだよな。ワイも好きになれんわ」
78「どっかで聞いたことあるような曲ばっかりで草。パクリ定期」
79「普通に良くね?キャッチーでワイは結構好きなんやけど」
80「とまぁ、まとめるとガチでオレンジ漏らしてる、そしてオッパイが異常、赤色の可愛さも異常、青色が無愛想すぎて草、緑の存在感が空気、黄色はそこら辺の女を捕まえたくらいの顔面、ファミ○キはモロパクリ、そして曲もただのパクリ」
パタンッッ!!
あの放送から数日後の夜。事務所の会議室にて、翔士はネットの掲示板を見ていたノートパソコンの画面を乱暴に閉じた。
翔士「クソがーーーーーー!! 匿名だからって好き勝手言いやがってーーーーー!!」
ミドル「どうしたの?」
翔士「いや、すいません・・・その、色々ネットでも言われているみたいで・・・」
ミドル「そう、そうよね。あんな放送事故をしてしまったのだから・・・」
すると突然、事務所のインターホンが鳴ったのだった。
ピンポーン!!
ミドルは急いでモニターを確認した。
ミドル「はい。どちらさんでしょうか?」
亜希母「本多秋子の母です。忠告なしに訪れて申し訳ありません。代表の方にお話がありますので、どうか入れてもらえませんか?」
翔士「亜希さんの・・・お母さん?」
ミドルは数秒間考えた後、扉を解錠した。
ミドル「・・・・どうぞ」
亜希母「ありがとうございます」
インターホンをオフにし、ミドルはすぐに振り返った。
ミドル「寧々ちゃん!! お茶を用意して!!」
佐々木「はい!!」
ミドル「翔士くん。悪いけど、社長の机で作業しててちょうだい」
翔士「分かりました」
足音が聞こえた後しばらくして、事務所の扉をノックする音が聞こえた。
コンコン!!
ミドル「どうぞ」
ガチャ!!
そこには、40代くらいの和服姿の女性が立っていた。
ミドル「お久しぶりです。この度は大変ご迷惑をご心配をおかけ致しました。申し訳ありませんでした」
ミドルは深々と頭を下げた。
亜希母「いえいえご無沙汰してます。いつも娘の秋子が、大変お世話になっております」
女性は深くお辞儀をした顔を上げた。すると少し不気味な笑顔を見せていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翔士「何だこれ?」
セイメイの席に移動させられた翔士は椅子に腰掛け、ノートパソコンを開いて作業に取り掛かっていた。するとセイメイのデスクトップパソコンの右下に、8字程度の記号や英数字が書かれた付箋が貼られていたのだった。
翔士「なんかのパスワードかな?」
翔士は留守にしている彼のパソコンが気になり、興味本位で電源を点けた。
翔士「もしかしてパソコンのパスワードか?」
しばらくしてパスワード画面が表示された。もしかしてと思い、付箋に書かれているパスワードを入力してみる。しかしすぐにはじかれた。
翔士「あれ違うんか?あのオッサン誕生日いつなんだろう?」
そんなひとりごとを言いながら、会議室で聞こえる女性とミドルの会話を盗み聞きしていた。
ミドル「こちらこそ大変お世話になっております。わざわざ高知から、ご足労いただきありがとうございます」
亜希母「いえいえ。実は私の実家はすぐ近くなんです。芸能活動を応援する為に、去年から娘は東京の祖母の家に預けております」
ミドルの声が耳に入った翔士は一旦作業を止めて席を立ち、会議室を覗いた。ミドルと亜希の母2人は会議室のソファに腰掛けながら、真剣に目を合わせている姿が目に映る。そんな重たい空気の中、佐々木がコトっと音を立てて、2杯のお茶をテーブルに置いたのだった。
ミドル「そういうことだったんですか!! しかし申し訳ないのですが、社長は今、席を外しておりまして・・・」
亜希母「構いません。ミドルさんとおっしゃいましたよね?副社長さんでしょうか?」
ミドル「左様でございます。主に会社の管理をさせていただいております」
亜希母「でしたら、あなたにお伝えするということで構いません」
亜希の母は差し出された紅茶を手に取り、一口飲んで、ため息を吐いていた。
ミドル「はい。ところで、そのお話とは?」
心配そうな表情をするミドルの横で、佐々木もソファに腰掛けた、その瞬間だった。
亜希母「はい。単刀直入に申しますと、娘にグループ及び事務所を、辞めさせていただきたいのです」
第2章 亜希の脱退?
美波「信じらんない・・・」
依澄「正直、こんな形で売れても・・・」
亜希「いいじゃんいいじゃん!! ポジティブに捉えていこうよ!!」
桜「アンタどんな神経してるの?漏らしたのは事実でしょ?」
亜希「そりゃ、そうだけどさ・・・」
郷美「漏らして1位!! これがファミファの真骨頂さ!! ヘイ!!」
一方その頃、Family First Sameのメンバーは5人揃って美波の自宅に来ていた。Family First Same待望の初の全国放送で、亜希がパフォーマンス中におしっこを漏らしてしまったのは、紛れもない事実だった。
例の放送事故は一気に全国に広まった。一夜にして彼女達の知名度は急上昇。某SNSにも彼女達に関する単語がトレンドイン。その日にパフォーマンスをした新曲『ドレミファミファ♪』は数日後にリリースされ、なんと初登場トリコン1位を記録したのだった。
依澄「先週から凄い友達からメッセージが来てる・・・」
美波「私ですら来るんだから、そりゃ依澄はねー」
桜「いろいろ思うことはあるけど、一つ一つ片付けていくわ・・・」
以前から怪しいと思っていたメンバーのおしっこトラブルは、こんな形で事故に繋がってしまったのだった。今回はそのことについて5人で会議をするつもりだった。今後のこと、どうすれば尿意を催さずにお稽古やライブができるのか、翔士もグルなのかと問題は山積みだった。
桜「まず・・・亜希!!」
亜希「何?」
桜「アンタ本当に大丈夫なの?全国放送で漏らしたのよ?それも今やいろんなSNSやニュースで広まっているわ。それなのに、なんでそんなキョトンと出来るのかしら?」
亜希「一応、事務所は否定してくれてるし、正直に言うとそりゃ恥ずかしいけど・・・」
亜希はさっきまでとは違い、真面目な表情になった。
亜希「恥ずかしいは恥ずかしいよ!! 本当に恥ずかしい!! あの日帰って家で大泣きしたもん!!」
依澄「本番終わった直後も泣いてたしね・・・」
亜希「でも・・・」
桜「でも?」
亜希「でもそのおかげで今、Family First Sameは一番注目されているんだよ!! 新曲は今週日本で一番売れたんだよ!! 1位を取ったんだよ!! 亜希は今、そっちの喜びの方が勝ってる!!」
相変わらず無垢な笑顔を見せる亜希を見て、桜は「はぁーーー。」と溜め息を吐いた。
桜「あのね亜希。こんな売れ方、誰も望んでないの。確かに今、アタシ達は物凄く注目されているわ。でもこんな売れ方をしている以上、亜希がただただ傷ついていくだけなのよ?」
亜希「・・・それでもいい」
桜「アンタが粗相をしたシーンが、ネットで調べればごまんと出てくるのよ?そしてそれはもう、一生消えないのよ?」
亜希「それでもいいって言ってるんだってば!!」
「ドンっ!!」と乱暴にテーブルを叩いた亜希。こんなことをする彼女を初めて見た4人は、ただただ驚いていた。
亜希「分かってるよそんなことくらいっ!! もう亜希はアイドルとして・・・1人の女の子として取り返しのつかないことをしてしまったのっ!!」
亜希の頬には涙が流れていた。依澄はそんな亜希の背中を、そっとさすったのだった。
桜「ごめんなさい・・・少し配慮が足りなかったわ」
亜希は右腕で目をこすりながら頷いた。
亜希「でも、嬉しいのは本当なの!! 今まで5人でずっと頑張って来たじゃん!! やっと波に乗って来たじゃん!! 今はまだ無理だけど・・・これからはあんな事忘れるくらい、5人で忙しくて、輝いてる日々を過ごしたい!!」
依澄はそっとさすっていた手を止めて、後ろからぎゅっと抱きついた。
依澄「大好きだよ亜希。だから・・・脱退とかやめてよ!!」
涙を流しながら、依澄はそんな言葉を放ったのだった。桜と美波と郷美の3人はその場で凍りつく。
美波「・・・脱退?そんな話まで出てたの?」
亜希「うん。あの件もあってママと大喧嘩したの。ママはもうずっと怒ってて、グループ辞めさせるだの、事務所退所させるだの、とにかく高知に帰らされそうなんだよぉーーー!!」
またまた泣き出しそうになった亜希を、今度は桜が前から抱きしめた。
桜「そうなのね・・・気付いてあげられなくてごめん・・・」
亜希「ううん!! 桜は何も悪くないよ!! 元を辿れば漏らした亜希が悪いんだし!!」
桜「いや、悪いのはあの社長よ。今回漏らしたのは亜希だったけど、本番中、実はアタシも尿意を催してて・・・」
依澄「ウチも漏れそうだった!!」
美波「私も漏れそうとまではいかないけど、かなり尿意はあった」
郷美「えっみんなそうだったんだ・・・てっきり私と亜希だけかと・・・」
桜「ほらね?みんな楽屋にいる時、念の為ってトイレに立ったわよね?それで5人全員が尿意を催すのって普通じゃないわよ」
依澄「どうして?あの時は事務所から支給されたドリンクはなかったはずだけど」
桜「だからそれを話し合うために美波の家に来たんでしょ!!」
すると突然、亜希は立ち上がり、ワンルームの端っこに佇むベッドの側を指差した。
亜希「ねぇ美波!! なんでこんなところに計量カップが置いてあるの?しかも2つ!!」
亜希は明らかに場違いなところに置かれている計量カップが気になってしまったのだった。1リットルの計量カップ2つがベッドのすぐそばに置いてある。キッチンとはもちろん反対側だ。
美波「あっっ///これはちょっと///ごめん!! たまたまだよ!!」
赤面する美波は急いで計量カップを手に取り、キッチンのシンクに投げ入れた。そして彼女は、あの時のことを思い出していたのだった・・・。
第3章 おしっこの悩み ~美波の場合~
美波「ふーーーん。なるほどー」
これはまだ、Family First Sameがメジャーデビューする前の話。自宅に帰宅した美波は、お風呂の準備をしながらスマホであることを調べていたのだった。
美波「成人の膀胱容量は平均で500ml~600ml前後なのか。結構溜められるんだねー」
そんな一言を口にして、浴槽の水位を確認する美波。
美波「よし!! それなら私の膀胱は平均以上なのか、試してみなきゃね!!」
すると美波は冷蔵庫にあった2リットルのペットボトルを取り出し、一気に飲み干した。
美波「ぷはーーーーーっっ!!」
空になったペットボトルをシンクに投げ入れ、美波は脱衣所へ向かう。
美波「あっ!! それと・・・」
裸になった美波はふと思い出し、全裸のままリビングにまたやってきた。そしてテーブルの上に置いてあったバッグを取り出す。
美波「みんながおしっこしたくなると噂の、秘密兵器・・・笑」
美波は事務所のペットボトルの水を持ち帰っていた。それも一気に飲み干そうとするが・・・。
美波「ううーーー。さすがにキツいな・・・」
2リットル飲んだ後にまた500mlの水はさすがに飲めなかった。お風呂に上がったらこれも飲み干そうと思いながらも、美波はシャワーを浴びるのだった。
美波「熱ッ!!」
体を洗い、湯船に浸かる美波。いつも長時間熱いお風呂に浸かるのが彼女のルーティンだった。
美波「あーーー。トイレ行きたくなったかも・・・」
大量に飲んだ水が、着々と美波の膀胱に溜まりはじめていた。最後におしっこを出したのは事務所でのレッスン中。時間にして2時間ほど前だ。さらにお風呂に浸かるという行為は、彼女の尿意を高まらせていた。
美波「限界まで我慢できる量を増やさないと!! じゃなきゃパフォーマンス中に漏らしちゃうかも!!」
そう。美波が故意に尿意を我慢していたのにはちゃんとした理由があった。我慢するのは良くないと薄々思いながらも、普段から尿意を我慢するようにして、自身の膀胱を鍛えようと考えていたのだ。
そしてこの日は自分の膀胱容量をしっかり数字で確認したいと思い、まずは限界時の尿量を計測しようと目論んでいた。用意していたのは1リットルの計量カップ1つと洗面器。さすがに普段使うカップは使いたくなかったので、先ほど帰宅する前に100円ショップで買ってきたものを使う予定だった。
美波「うーーー。ちょっとツラいな・・・でもこの前のライブの時よりはマシだし、もっと自分を追い込まないと!!」
湯船に浸かって1時間が経過した。美波は立ち上がり浴槽から出ると、バスタオルで火照った体を拭き、服を着て部屋に戻った。そして冷蔵庫に入っていた事務所支給の水を取り出す。
美波「さっきも2リットル飲んだけど、湯に浸かった分、汗も流れたし!!」
そう言って美波は、500mlの水を一気に飲み干した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美波「はぁーーー!! はぁーーー!! ヤバイヤバイ!!」
さらに1時間が経過。美波はファイルを取り出して、数ヶ月後に迫る新曲披露のライブに着用する衣装のデザインを考えていたところだった。
美波「どうしよう・・・おしっこした過ぎて全然集中できない!!」
彼女の左手は股間を抑えていた。鉛筆を持っている右手も震えている。とても衣装のデザインを考えている余裕などなかった。
美波「・・・ライブ中を思い出すんだ!! もし今が本番中なら、絶対トイレには行けない!! 頑張るんだ私!! 頑張るんだ私の膀胱!!」
体を上下に揺らしながら彼女は作業に取り掛かっていた。今までと違い、衣装のデザインを一新しようと考えていたこともあり、新衣装の細かいこだわりの部分も絵を描いて伝えようとしていた。
美波「この描き方で桜に伝わるかなー?あーーーー!! おしっこしたい!!」
ついつい描いていた線が乱れていく。説明の為の文字も普段より荒っぽい。衣装のデザイン担当の美波は、裁縫担当の桜に伝わりやすくを意識して描いていた。提出期限も明日に迫っている。
美波「明日には出さなきゃ!! 桜に怒られるし・・・あーーーでもおしっこしたい!!」
立ち上がった美波。その際に感じる下腹部の重み。おしっこがたっぷりと溜まっていることは、彼女自身も理解していた。
美波「もう限界!! 膀胱はち切れちゃうよ!!」
美波はパンパンに膨らんだ己の膀胱を刺激しないよう、ゆっくりとした動きでお風呂場へと向かった。脱衣所で下半身裸になる美波は、そのままお風呂場の電気を点けた。
視界に入ったのは、さっきまであった湿気もなくなり、浴槽のお湯もぬるくなっていたお風呂場があった。鏡の曇りも消えていて、そこにそっと入る美波の足裏は、床にまだ残っていた水によって、少し濡れてしまっていた。
美波「はぁー!! もう無理だよ!! これ以上だったらさすがに漏らしちゃう!!」
そんなひとりごとを言いながら、彼女は用意していた洗面器を床に置き、しゃがみ込んだ。
「ジョロジョロジョローーーーーー」
遂に美波の股間にある水門は開かれた。勢いのない彼女のおしっこは、長い時間をかけてひたすら洗面器を満たしていく。
「ジョロジョロジョローーーーーー」
彼女の放尿は長時間に及んだ。時計の秒針が1周する。しかしおしっこの勢いは相変わらずだった。
美波「ふぅーーーーーーー!!」
彼女は大きく溜め息を吐いた。溜まりに溜まったおしっこを体外に排出するだけなのに、なぜこんなに気持ちがいいのか・・・。
美波「待って。本当に止まんない・・・」
彼女の放尿時間は3分を超えた。勢いは変わらず弱かったが、永遠に出るのではと、錯覚するくらい止まらなかった。
美波「どうしよう。こんなに止まらないなら、いつものトイレならまた桜に怒られちゃう!!笑」
そんなひとりごとを言いながら、美波は洗面器を見た。
美波「えっ・・・・」
小さい洗面器の水位は、ほとんど満タンに近い状態だった。
美波「どうしよう・・・止まるかな・・・」
おしっこの勢いを変えられない美波は、もちろん止めれるはずもなかった。しかし洗面器はもうほぼ満タンだ。
美波「どうしよう・・・まさかこんなに出るなんて・・・あっ!!」
するとその瞬間、シュルシュルと音を立てて、美波のおしっこはやっと終わりを告げた。
美波「はぁーーーーー!!」
スッキリした気持ちと、溢さなくて良かったという安堵の気持ちで、彼女は浴槽にもたれかかっていた。
美波「明らかに500ml超えてるよね、これ・・・」
美波は己の膀胱に数分前まで入っていた、小さい洗面器いっぱいのおしっこを見つめながらそう言った。
美波「あちゃーー!! トイレットペーパー忘れちゃったよ!!」
そしておしっこで濡れた股間をそのままに、彼女はトイレへと走っていった。すぐにトイレットペーパーを巻き取り、股間を拭くと、ペーパーをトイレに流してリビングにやってきた。もちろん下半身はまだスッポンポンだ。
美波「さぁ、どのくらい出たのか・・・」
リビングに置いていた計量カップを手に取り、美波は再度お風呂場へと足を運んだ。洗面器には少し湯気が出ている。
美波「えっ・・・重たい!!」
洗面器を持ち上げて、美波は驚いた。まさかこんなに重い液体が、さっきまで自分の膀胱に入っていたなんて・・・。
「バシャーーー!!」と音を立てて、洗面器のおしっこを計量カップに移した美波。少しヘタクソだった彼女は、床におしっこを少し溢してしまっていた。
美波「足りない。全然足りない・・・嘘でしょ・・・」
計量カップは1000mlの目盛りピッタリだった。しかし洗面器には、まだまだおしっこが残っている。
美波「し、仕方ない・・・」
彼女はまた立ち上がり、次はキッチンへと足を運んだ。そしてもう一つの1リットルの計量カップを手に取る。
美波「もうこれも使えなくなるけど、また買えばいいし・・・」
そんな事を言いながら、彼女はまたお風呂場にやってきた。そしてすぐに、もう一つの計量カップに残りのおしっこを注いだ。
バシャーーーー!!
2つ目の計量カップもそこそこいっぱいになった。目盛りを確認した彼女は、ただただ驚くばかりだった。
美波「500ml・・・ってことは、1500ml出たってこと?私の膀胱、どうなってんの・・・」
薄い黄色の液体で満タンになっていた計量カップと、半分が満たされたもう一つの計量カップ。この2つを見つめながら美波は、ただ呆然としていたのだった・・・。
第4章 パスワードの先にあったもの
亜希母「お宅は娘の件を否定されていますが、それが嘘だと言うのはもちろん分かっています」
ミドル「申し訳ありません・・・」
亜希母「どうしてくれるんですか?娘は!! 秋子は!! なんでこんな辱めを受けなければいけないのですか!!」
ミドル「すべての責任は社長であるセイメイをはじめ、私にもあることは承知しております。本当に本当に申し訳ありません」
亜希母「まともな事務所であるのなら、普通こうはならないはずです!! とにかく娘にもうここは居させません!! いいですね?」
ミドル「こちらからはもう何も言えませんが、一度、亜希さんからもお話を伺って・・・」
亜希母「そんな事する必要ありません!! なんでこんな杜撰な場所に娘を置かなければならないのですか?芸能界を夢見ていた秋子を返してください!!」
ミドル「・・・申し訳ありません!!」
ミドルの顔は真っ赤だった。涙がポロッと流れていく様を見て、佐々木も無言のまま、ただただ頭を下げるだけだった。
翔士「うーわ。おっかない話してる・・・俺、逃げてて正解だったわ・・・」
セイメイの机から会議室を眺めていた翔士は、そんなひとりごとを発していた。
翔士「亜希さん辞めたら俺、メチャメチャガッカリだなー」
そんな事を言いながらも、翔士はセイメイのパソコンの起動に成功していた。セイメイの名前と誕生日だけの簡単な組み合わせだったこともあり、3回目でパスワードを見事突破したのだった。
翔士「はっっ?なんだよ・・・これ」
すると翔士は、起動したパソコンのデスクトップ画面を見て驚いた。左下に「放尿、メンバー」という名のファイルがあったのだ。急いでそのファイルをクリックすると、なんと再度パスワードを入力するウィンドウが現れた。
翔士「おいおいあのオッサン、セキュリティーガバガバ過ぎないか?もしかして・・・」
そう言いながら、翔士はパソコンの右下に付けられていた付箋の文字を入力する。
翔士「突破できたじゃん!! マジかよ!!」
表示されたのは動画ファイルだった。それも数がとんでもなく、翔士は恐る恐る1番上のファイルをクリックしたのだった。
桜「んん!! あっ漏れちゃう!!」
翔士「////////////////・・・・・!!」
そこに映った動画に、翔士は言葉を失った。誰も見ていないのに、あまりの恥ずかしさに手で顔を隠すほどだった。
そこには急ぎ足でトイレに駆け込み、個室の鍵を閉め、モジモジしながらジーンズを下げて放尿する桜の姿が映っていた。見覚えのあるそのトイレは、翔士が以前誤って使用した際、セイメイに怒られた和式トイレだったのだ。
翔士「おしっこしてる桜さん。まんこ丸見え・・・しかもツルツル・・・///」
思わず手が震える翔士。流石に悪いと思った彼は、動画を停止し、ファイルを全て閉じた。
翔士「あのオッサン・・・盗撮してるじゃん・・・!!」
〜つづく〜
次の話はこちら→第11話 おしっこの悩み ~桜の場合~
前回の話はこちら→第9話 おしっこの悩み ~亜希の場合~
オススメ
エレベーターの閉じ込められた女性とその女性の子供。そこに居合わせたのは、女性と同い年の男性会社員でした。
大富豪をおしがま仕様に改変したゲームです。大量に水を摂取するので現実では割と危険。
コメント