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【実話】夢のような初恋 ~バレンタインのあの日から彼女が結婚するまで~

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僕「ぶっちゃけ聞くけど、小学生の頃、俺の事好きだった?」

そんな生意気な質問をする僕は、彼女の運転する車の助手席に乗っていました。

希子「うん。今だから言えるけど、めっちゃ好きだったよ・・・。」

恥ずかしげもなく、すぐに答えた女の子。そんな彼女は、僕の初恋の人でした・・・。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

彼女の名前は希子(きこ)。幼稚園からの幼なじみで家が2軒隣だったこともあり、登校するのも一緒、帰るのも一緒で、異性だったけど一番仲の良い同級生でした。

小学校にあがる頃には僕はもう彼女に恋をしていましたが、もちろん本人に告白できるはずもなく、時は流れていきました。

そして小学3年生の冬に、世間ではあるイベントの日がやってきました。そのイベントとは「バレンタイン」

しかし僕には全く興味がありませんでした。というのも、チョコが貰えるとか貰えないとかの話以前に、僕はチョコが大が付くほど嫌いだったから。

しかもまだ小学3年生という事もあって、周りの同級生たちもそこまで一大イベントという感じではありませんでした。いつも通りの学校、いつも通りの1日が終わり、僕は家に帰宅しました。

特に家ですることもなかったので、先に宿題でもやっちゃおうかと思っていた頃、突然家のチャイムが鳴りました。

「ピンポーン!!」

僕は何か届け物でもあったかな? と不思議に思いながらも、家の玄関を恐る恐る開けました。するとそこに映ったのは、寒そうに体を縮こませながら立っている希子の姿でした。

希子「あの、、、、これ、、」

希子は両手に何かプレゼントのようなものを持っていました。普段お喋りな希子は、何故かこの時だけ恥ずかしそうにして話せないでいる様子だったんです。

僕「ん? 何これ?」

僕は希子が持っている物を指さしました。すると彼女は、いきなりそのプレゼントを僕に押し付けるように渡して、何も言わずに行ってしまいました。

この後、僕は初めてバレンタインのプレゼントだと気づいたのですが、僕はチョコが食べれなかったのでどうしようか悩みながらも、とりあえずその箱を開けてみました。すると中身はチョコレートではなく、形がいびつな下手くそなクッキーでした。

僕がチョコレートを食べれないことを知っていたんでしょう。彼女にチョコがダメだと言った記憶はありませんでしたが、そんな僕への配慮に感動したのと同時に、ずっと好きだった彼女からのいきなりの本命らしきクッキーに、9歳ながらも大はしゃぎしていました。

あんなに嬉しいバレンタインデーだったにも関わらず、僕は次の日から彼女と顔を合わせるのが恥ずかしくなり、その日から一緒に登校することもなく、学校でも前のように仲良く話す事も少なくなっていきました。翌月のホワイトデーになってもその状態は続いて、バレンタインのお返しも出来ないでいました。

そしてそのまま月日は流れて小学校を卒業し、中学校を卒業し、別々の高校に通う事になりました。高校入学のタイミングで僕の両親が離婚し、僕は隣町まで引っ越すことになり、さらに疎遠になってしまったんです。

そしてお互い20歳になった頃、成人式で彼女と再会しました。大学生になった僕ら2人。僕は県外の大学に通っていましたが、彼女は実家暮らしでした。

5年ぶりに会う彼女はすっかり大人の綺麗な女性になっていて、振袖がよく似合っていました。軽くお喋りをした後、彼女と連絡先を交換し、後日2人で遊びに行くことになりました。成人式から1週間も経たないくらいすぐのある日の昼、彼女と待ち合わせをしてドライブすることになったんです。

当時、僕は運転免許を持っていなかったので、彼女が運転する助手席に乗り、思い出話や近況報告など、いろんな話をしていました。

ふと僕は、ずっと気になっていたあのバレンタインのことを思い出し、勇気を振り絞って聞いてみることにしたんです。

僕「ねえ、ずっと昔から気になってたんだけどさ、、、」

希子「ん? どうした?」

僕「ぶっちゃけ聞くけど・・・小学生の頃、俺の事好きだった?」

自分でも何を言ってんだと思いました。恥ずかしくて上から目線のような口調で聞いてしまい、僕は笑いながら言うことでなんとか誤魔化していました。すると希子は思ったよりもアッサリとこう答えたんです。

2人に長い沈黙が続きました。もうお互い好きじゃない。そんなことは言われなくても分かっていました。

僕「やっぱりそうなんだ。実はさ、俺もずっと好きだった!! 初恋だったんだ!!」

僕は十数年越しの告白を自分でもビックリするくらい普通にしてしまいました。すると希子の返事は意外なものでした。

希子「改まってどうしたの? そんくらい知ってるよ!!笑」

彼女は信号待ちをいいことに、ハンドルから手を離して手を叩いて笑っていました。

僕はめちゃめちゃ恥ずかしくなりましたが、彼女曰く、僕はとても分かりやすいからバレバレだったと言っていました。もちろん僕は自覚なしです。

僕「両想いって知ってたの?」

希子「両想いとは思ってたけど、小学生だし付き合うとか考えるわけないじゃん!! 私も初恋だったよ!!」

僕「いやいや告白もされてないのに、両想いって決めつけるとかめちゃめちゃ自意識過剰じゃん!!笑」

希子「いやいや、だから分かりやすかったんだってー!! 告白されたようなもんだし笑」

僕「そんなにだった?」

希子「うん!! 今考えたら可愛いけどねっ!!」

いつしか僕たち2人はあの頃のように無邪気にお喋りをしていました。10年以上も前の、毎日一緒に登下校したあの日々のようでした。

僕「そういえば希子の住所って、実家だからずっと変わんないよね?」

希子「そうだけど?」

そんなこんなでもう夜になっていたので、レストランでご飯を食べて解散することにしました。付き合ったことなんてなかったのに、昔の恋人と遊んだような不思議な1日でした。交通手段がなかった僕を、希子は家まで送ってくれました。

しばらくして僕の家に着きました。昔はあんなにお互いの実家が近かったのに、あの頃とは今の状況も大きく変わったんだなと改めて感じました。

希子「次もお互いフリーだったら、遊びに行こうよっ!!」

彼女はそう言い残して、僕を降ろした車を走らせました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

あれから少し月日が流れたホワイトデー。僕は彼女の実家宛に、11年前のバレンタインのお返しを手紙を添えて送りました。数日後に彼女から「何年越しのお返し?遅すぎ!!笑 でもありがとう。」とメッセージが届きました。

あのメッセージから8年が経った今では、僕も別の女性と結婚し、妻と2人で幸せな結婚生活を送っています。

そして僕が結婚して1年経ったくらいの頃、希子からメッセージが届きました。

その直後、1枚の写真が送られてきました。そこには、こぼれるくらい満面の笑みを浮かべる幸せそうな希子と、隣にたくましそうな旦那さんが写っていました。そしてその旦那さんは、希子にそっくりな可愛い赤ちゃんを抱えていたんです。

しばらく疎遠になっていた時代もあったけど、お互い本当に幼い頃から一緒に成長してきた、友達のような、親友のような、恋人のような、家族のような、そんな人でした。

思わぬタイミングでの彼女の結婚報告に、僕は涙が溢れてしまいました。

僕はこんなメッセージを送り、携帯を閉じました。

雰囲気をぶち壊すような話になりますが、実は中学時代に彼女と1度だけ尿トークをしたことがあります。

そのお話はこちら→初恋の女の子と尿トーク

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